出版社内容情報
SF評論家の第一人者高橋良平が、黄金時代の1950年代を中心に、ラインスター、ウィンダムなど宇宙テーマの幻の名品7篇を厳選!
内容説明
無辺の空間に茫漠とひろがるカニ星雲―その外縁部で銀色に輝く地球の宇宙船が遭遇した漆黒の異星船は、敵か味方か?SF界の重鎮によるもっとも有名なファースト・コンタクト・テーマの決定版「最初の接触」をはじめ、『呪われた村』のジョン・ウインダムの「生存者」、奇才P・J・ファーマーの「キャプテンの娘」など、名翻訳家伊藤典夫が惚れこみ翻訳した宇宙SFの中から、SF評論の第一人者高橋良平が7篇を厳選。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sin
56
表紙に惹かれてつい手にとってしまったが…古い!根拠の無い科学は、もはや御都合主義の魔法ですらある。同じ技術力の文明同士の遭遇は、相手を亡ぼすしかない疑心暗鬼?アライグマじゃない?時間は主観?恋は盲目?飛ぶのかっ?どこでもドア〰?同化と云う侵略?の七作品でした。2019/05/29
ニミッツクラス
35
19年(令和元年)の税抜1080円の青背初版。先発16年の「ボロゴーヴはミムジイ」に続く高橋氏編纂による“伊藤典夫翻訳SF傑作選”の第二弾で7編収録。日本SF黎明期を支えた翻訳陣には感謝に尽きる。本書、推しはホワイトの「宇宙病院」シリーズの一編。これ、話には聞くが他の4短編の翻訳が無いのだよね。ラインスターの「メド・シップ」物は出ているから、何とかならないかなぁ。ファーマーは十八番の下ネタをうまく昇華してニヤリ。ナイトの行先不明の転送機や、ブリッシュの一人乗り超光速船の顛末話も琴線に触れる。★★★★★☆2021/08/10
ネコベス
35
翻訳家の伊藤典夫氏が翻訳したものの中から選りすぐった七作のSF作品を収録した短編集。やや内容が古く感じたこともあってか、以前よりスペースオペラやハードSFが絵空事のように思えてあまり心ときめかなくなってしまった。たくましく生き残る母親の冷徹さを描いたジョン・ウィンダム「生存者」と侵略的な西洋文明をシニカルに風刺したポール・アンダースン「救いの手」が良かった。2019/08/12
かわうそ
33
「SFとしては少し古くなってしまったけれど核となるアイデアは全く古びていない」とか言ってしまうとなんだか陳腐な感想で申し訳ございませんという感じですが、クオリティの高い古めのSFを読んだ時の(内容の緊迫感とは直接リンクしない)ホッとする感覚を存分に堪能しました。2019/05/31
くさてる
32
題名通りのSFアンソロジー。60年代SFということで、たしかに古臭く時代を感じるところもあるのだけど、それでも時代を超えた人間の本質的なものってあるんだなあと面白く読みました。古典的だなあと思いつつ、これが始まりなんだから当たり前だよとラストに感激した、ラインスター「最初の接触」SF的な部分はよく分からないながら人間の感覚の描写が面白かった、ブリッシュ「コモン・タイム」皮肉でユーモラスで、どこか哀しい、アンダースン「救いの手」が特に良かったです。2019/08/24