内容説明
予期せぬ事故でシャトルから放り出された、女性宇宙飛行士のカリスと料理人のマックス。恋人同士であるふたりには、酸素がそれぞれ90分ぶんしか残っていなかった。ふたりはどのように出会い恋に落ちたか、そしてなぜ現在のような状況に至ったかについて振り返る。漆黒の宇宙空間をゆっくりと確実に落下していく絶望的な状況で、必死に生存の可能性を探りながら…。“ゼロ・グラビティ”下で展開するSFラブストーリー。
著者等紹介
カーン,ケイティ[カーン,ケイティ] [Khan,Katie]
イギリス生まれ。2013年にパラマウント・ピクチャーズに入社し、webデザイン・技術に携わる。そのかたわら、デビュー長篇である本作『君の彼方、見えない星』(2017)をイギリス大手出版社から発表。大きな反響を呼び、現在まで21カ国語に翻訳、24カ国で出版され、映画化も進行中である。2017年4月にワーナー・ブラザースに入社、現在も勤務中
赤尾秀子[アカオヒデコ]
津田塾大学数学科卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
109
ロマンチックで切ない宇宙SFの傑作。これはお勧め。事故により、宇宙空間に投げ出されたカリスとマックスの二人は、生きるための酸素がわずか1時間半分しか残されていない極限状態の中で、生き残るための方法を必死に探そうとする。カリスは女性の宇宙飛行士で、マックスは料理人。二人が出会ってから恋に落ちるまでも、物語の中に織り込まれているので、恋愛小説としても読める。ただし普通の恋愛小説と異なっているのは、未来社会の姿が精緻に描かれていることだ。これがなかったら、ここまで緊迫感のある物語にならなかっただろう(続きます)2018/02/22
ジンベエ親分
40
事故で宇宙空間に投げ出された恋人同士の2人。酸素の残り時間は90分。生き延びようと苦闘する2人の描写の合間に過去の2人の出逢いからの歴史、そして背景となる社会情勢が語られる。そちらの近未来社会の描写が面白い。アメリカと中東が核戦争の結果滅亡した世界で、ヨーロッパ圏が中心となって「ユーロピア」なる徹底的な個人主義を基にした社会を創っている。彼ら2人が何故宇宙空間で漂っているのかも、その話とは無縁はでない(どころか密接している)。そして彼ら2人の"最後の選択"が三度繰り返される。とても美しい物語。2018/05/12
ゆう
34
シャトルから放り出された恋人同士のカリスとマックス。宇宙空間にたった二人、助けてくれる人は皆無、残った酸素は90分。帯に“愛も命も残りあと90分”って書いてあるとおり、ロマンス要素もあり。というか想像よりそれが高かったかも。残り90分を約400ページ描かれるかと思いきやそこに至るまでの二人の出会いから日常を挟んで章は進む。残り時間ないのに大丈夫かその痴話喧嘩みたいなの…と突っ込むけどこんなロマンチックな宇宙空間も嫌いじゃない。がっつりSFを期待する人だとガッカリするかもだからそういう方にはお勧めしないな。2017/12/15
あおでん@やさどく管理人
33
本文で世界の設定の話があまりないままストーリーが展開していくので、先に解説を読むといいかも(ネタバレはないので)。最後の展開は不思議な感覚で、人によって感じ方が分かれそう。真の”ユートピア”はどこにある?2018/01/18
小太郎
18
書店で見た時は映画の「ゼロ・グラビティ」みたいで面白そうと思ったんだけど。事故で宇宙空間に取り残された恋人同士、残りの酸素は90分。絶望的な状況に二人はいったいどうするの?というありがちと言えばありがちな設定。こういうシュチエーションストーリーは何と言っても切れ味勝負だと思ってます。この作品に限って言えば成功したかどうかは微妙。やはり最後に掛かる話なんだけれど、自分的には?が付きます。恋愛事情と事故を交互に書くのは常套手段なんだけど、ちょっと恋愛部門がイマイチかな?★3っ2018/11/26




