出版社内容情報
老化特効薬と巨大砂蟲の惑星アラキスを舞台に、陰謀錯綜する壮大な未来叙事詩の傑作!
内容説明
ハルコンネン男爵の策謀によって、アトレイデス公爵は不慮の死をとげ再度、アラキスは男爵の手に落ちてしまう。公爵の世継ぎポールは、巨大な砂蟲が跋扈する危険な砂漠へ母ジェシカとともに逃れ、砂漠の民フレメンの中に身を隠すことになる。しかしこの過酷な環境と香料メランジの大量摂取が、時間と空間を果てしなく見通す超常能力をポールにもたらす。彼はフレメンの伝説の救世主ムアッディブとして歩みだすことに!
著者等紹介
酒井昭伸[サカイアキノブ]
1956年生、1980年早稲田大学政治経済学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
332
上巻では期待値との乖離が大きく、投げ出したくなるほどだったが(新刊で上・中・下の3巻を揃えていなければ危なかった)中巻では、気を取り直して虚心に再挑戦。上巻の終わりで、アトレイデス公爵が亡くなったので、この巻では嗣子のポールと母親のジェシカの物語となる。「序・破・急」の構成と見れば、「破」である。フレメンの世界に入り込んで行くのだが、全体の動きはやや緩やか。上巻での他の方たちの感想を見ると、「壮大」との形容が往々にしてなされているのだが、私にはどうも壮大には思えない。むしろ、チマチマとしているようにさえ⇒2025/06/26
パトラッシュ
177
(承前)情け容赦なく先住者を虐殺し、嬉々として富の収奪に励むハルコンネンによるアラキス征服は、今読むと否応なくロシアのウクライナ侵攻に重なる。生きるのも難しい砂漠に逃れたポールはフレメンに受け入れられ、メランジの大量摂取で超常能力を得て救世主ムアッディブとしての立場に目覚めていく。このフレメンの伝統と生活の描写こそ中巻の肝であり、独立の民は決して弾圧されるがままでなく、自由を勝ち取る指導者への成長のドラマが展開される。侵略の苦しみに耐えるウクライナ人が、ロシアの暴虐から解放される日を信じるように。(続く)2024/02/11
ねこ
170
ストーリーもさることながら、ジェシカとポールの精神世界の心の揺らぎ、考え、状況を文章化する原作者と訳者の言語能力に脱帽です。ベネ•ゲセリットの上位能力者であるジェシカだけでも凄かったのに更に最高能力者教母の高みに上がりアラキスの歴代教母の全知識を獲得とは。しかしそれによってポールの敵に堕ちてしまう。ポールも不確定な未来視のの選別の精度を上げ、真理をより的確に選択できる経験を積んでいく。下巻では母と子の争いの予感。何だかハルコンネン一派がポールやベネ•ゲセリット一派に比べて劣っている勢力に感じてしまった。2023/08/28
ケイ
117
ボールとジェシカの関係が不可解。自立した息子が母に対し距離をおいてみることはあるとしても、母がこのように理屈っぽく息子の行動を判断するだろうか。彼らの元々の仲間や味方がほとんど残っていない状況。最後は、ボール対フェイド=ラウサになるのが定石だろうが、母ジェシカはどういう立場となるのだろう。下巻へ。2016/07/24
まふ
105
中巻ではポールが母ジェシカと共に砂漠の民フレメン族に邂逅して彼らの生き方、哲学を学んでいく、というのがメインの内容。とりわけ、人間を含む生物にとって水の大切さをフレメンから教えられる、というのがポイントか?だが、これとて、現在の地球上を舞台にしても十分に伝えられるハナシであろう。と考えると、またまた、なぜこのハナシがSF仕立てなのか(SFで表現しなければならなかったのか)というギモンに戻ってくる。まあ、あまりカタイことは考えずに下巻へと進もう。2025/11/12




