出版社内容情報
戦争の危機の中、正体不明の敵に貨物宇宙船が攻撃を受ける。話題の本格宇宙SF登場!
内容説明
月や火星、小惑星帯に人類が進出した未来。土星から小惑星帯に帰還中の氷運搬船が何者かの攻撃を受け、破壊される。独立の機運高まる小惑星帯への火星の宣戦布告か?かろうじて生き延びた副長のホールデンらは、復讐を心に秘め、謎を追うが…。一方、その襲撃の知らせで戦争の危機に揺れる小惑星ケレスでは、刑事ミラーが失踪した富豪の娘ジュリーの捜索任務を引き受けることになるが…。話題の本格宇宙SF登場。
著者等紹介
中原尚哉[ナカハラナオヤ]
1964年生、1987年東京都立大学人文学部英米文学科卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
GaGa
39
宇宙戦争もの。襲撃に遭遇した宇宙船の副船長ホールデンと小惑星の中で最大の惑星ステーションケレスの刑事ミラーとの二人の視点で交互に描かれている。上巻では宇宙で次々と危機に襲われるホールデンと、ケレスが壊滅の危機にすらさらされながらも一人の少女を追うミラーが描かれ、個人的にはケレス側の展開が新鮮で楽しく読むことが出来た。2013/07/06
ホームズ
18
面白かった(笑)前半は少し読むのが辛かったけど徐々に面白くなってきた感じ(笑)ちょっと地球、火星、小惑星帯、OPAの関係が良く理解できなかった所があったのでもう少し丁寧な設定の説明があった方が良かったんじゃないかな。主人公であるホールデンとミラーのキャラクターは良かった。まだまだ1作目なので油断はできないけど結構期待してもいいのかなって感じでした(笑)2013/05/22
鐵太郎
9
出だし、ちょっとかったるい雰囲気があったけど、読み進むうちに引きつけられた。久方ぶりに上質のスペースオペラに出会った感じ。このテイストは、上巻を読む段階では、谷甲州の「航空宇宙軍シリーズ」だね。戦争を引き起こしてしまった正義漢が上すべりするホールデンと、過去のしがらみで自らを袋小路に追い込んで行方不明の少女を追うミラーの二人は、この先何をするのか。うーん、楽しみ。2013/10/14
けいちゃっぷ
8
人類は太陽系に進出し、経済的に豊かな地球や火星の内惑星連合と、資源供給地で貧困にあえぐ外惑星系の二つに分かれていた。 そんな中、平凡な氷運搬船が謎のステルス船の攻撃を受けて消滅。 一方では月の富豪令嬢が失踪。 運搬船の外にいて巻き添えを免れたホールデンと失踪者を追う刑事ミラーはそれぞれに事件を追うが・・・。 まあ、面白い・・・のかなあ。 431ページ 2014/09/27
すけきよ
7
全六部予定の〈拡大時代シリーズ〉第一巻。以前、ハヤカワから一時期出ていたニュー・スペースオペラとは明らかに感触が違う。作者が、肉体労働者が主人公になるような、ブルーカラー・スペースオペラを目指していたらしく、それがちゃんと形になっている。物語は、正義感あふれる宇宙のトラック野郎ホールデンの仇討ちと、シニカルな老刑事ミラーが行方不明になった少女の捜索がメイン。ひょんなことから二人は合流し、ホールデンの熱すぎる正義感が起爆剤に、ミラーの執拗な捜索と冷酷ともいえる行動が推進力となって展開していく。(下巻に続く)2013/04/28