出版社内容情報
男は毎夜、夢のなかで火星の大地に立っていた……。現実と非現実の境界を描く映画原作を含む10篇を収録する日本オリジナル短篇集
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
nobby
152
          
            何より読んでいて楽しさ溢れる至宝のSF体感、これまさに短篇傑作選の看板に偽りなし!50頁前後で描かれる世界観が、世界戦争や放射能による荒廃に重なるのが生々しいが、おそらく人類の末路はそんなもの…そこにミュータントやテレパス・ロボット・EBEなど目線から風刺していくのが実に痛快!イマジネーションに耐久力のない自分には、ワクワク設定を楽しむべく短篇の方が好みらしい(笑)映像化された2篇に加え、そのタイトルから反転したオチが抜群の「地球防衛軍」「訪問者」や、そりゃ間違いなく「ミスター・スペースシップ」が大好き♬2020/08/20
          
        とくけんちょ
59
          
            映画化されてるトータルリコールとマイノリティリポートを含む短編集。どれもこれもSFを十分に堪能させてくれる。ハズレなし。私のイチオシは、フードメイカー。最後のオチが好み。ややネタバレになるが、自分で強者と思っている者が、とんでもなく急所をつかれ、絶望とともに自壊していくさまは、まさにSF。新訳というのもあると思うが、読み継がれるSFは古臭さを全く感じない。2022/09/13
          
        Kano Ts
57
          
            これはやんごとなき面白さですね!「電気羊」が難しくて少し躊躇してたディックでしたが、これは読みやすい話の中にも、ディックらしさと言うか独特の感覚を楽しめました。「トータル・リコール」「地球防衛軍」「ミスター・スペースシップ」「吊るされたよそ者」「マイノリティ・リポート」が特に好きです2022/04/18
          
        吉野ヶ里
56
          
            良い切れ味。『トータル・リコール』映画と全然違うな。ユニークな結末で、コミック的。リコール社があったら私は利用するだろうか?『出口はどこかの入り口』《「あなたにはありません、バイブルマンさん」》機会は二度とないんだろうね。普通の安全で忠義に厚い市民の話。退屈な人間は一生退屈に生きる。怖すぎる。一事が万事ってことなんでしょうね。ちくしょう。『地球防衛軍』星新一みたいなSF。ディックは戦争を愚かで非生産的だと思ってたんだろうね。でも、そういうことも楽しめるから人間は残酷で、頭悪くて、面白いんだと思うよ。2016/06/18
          
        催涙雨
47
          
            以前読んだときも同じように思ったのですが、ミスター・スペースシップとフード・メーカーは結構好きです。ディックは世評の芳しくない作品も多く、玉石混淆の典型的な作家として知られていますが、石の部分にあたる作品も多く訳出され、その側面を含めて好むマニアも多く存在する稀有な作家です。なので、これらの作品が質の低さを理由に2010年代まで日の目を見なかったことに、少し意外さを感じます。収録されたもののうち表題作を飾ったことのある二作を除くと、吊るされたよそ者がいちばん好きです。2021/12/31
          
        

              
              
              
              

