内容説明
“ＡＩソース”と呼ばれる人工知性集合体が深宇宙に建造したシリンダー型ステーション“１１１”。直径千キロ、長さ十万キロにおよぶ巨大構造物で、殺人事件が発生した。この特異な世界に生息するウデワタリという生物を研究中の女性職員の一人が殺されたのだ！事態を重く見たホモ・サップ連合外交団は、敏腕捜査官アンドレア・コートを派遣したが…奇怪な世界を舞台に美貌の女探偵の活躍を描く傑作ハードＳＦミステリ。フィリップ・Ｋ・ディック賞受賞。
著者等紹介
カストロ，アダム＝トロイ［カストロ，アダムトロイ］［Ｃａｓｔｒｏ，Ａｄａｍ‐Ｔｒｏｙ］
１９６０年生まれのアメリカの作家。１９８７年にスパイ誌でプロデビューを果たして以来、長篇１９作、短篇約９０作を発表するベテランで、そのジャンルはＳＦからファンタジイ、ホラーと多岐にわたる。２００８年に発表された『シリンダー世界１１１』は、アメリカでペーパーバック・オリジナルで発表されたＳＦ小説の中の最優秀作品を選ぶフィリップ・Ｋ・ディック賞を受賞した
小野田和子［オノダカズコ］
青山学院大学文学部卒、英米文学翻訳家（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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姉勤
30
外宇宙の彼方に、AIによって中の生態系まで設計された超巨大コロニーで起きた殺人事件を調査するために派遣された捜査官を主人公にしたSFミステリ。壮大な舞台の割には、主人公を含め、小せぇ人間のドラマが性に合わず。幼少時にトラウマがあれば、人格や性格が破綻してていいという安直なキャラ作りによって、SF的舞台が台無しになっている。AIやら心理操作を持ち出したら事件も解決も納得できるものにするのは余程のものが欲しいが、あったとしても主人公に何らシンパシーが湧かないなら、好意的な感想にはならないかも。2024/04/17
GaGa
25
まずまず楽しめた。大きく風呂敷を広げた世界観に対してのフォローはないのだろうなと想像しながら読んだらまさにその通りであった（笑）サスペンスとしては新味なところはないが、ウデワタリへの理解（あるいはコンタクト？）の描写は中々良かった。原題は直訳すると「死者たちからの使者」か？ややこしい（苦笑）2011/06/17
Porco
16
宇宙ステーションが舞台のSFミステリ。どうやらSFミステリが、私は苦手らしい。『イノセンス』とか、映像作品なら楽しめるんですが。2016/10/11
けいちゃっぷ
4
私のツボにはまったのはステーションを舞台にしたＳＦミステリのせいなのか、人を寄せ付けない女性主人公の性格なのかわかりませんが面白く読めました。謎が解けつつあるところまでは。「謎は謎のままの方が魅力的である場合が多い」というミステリの格言（私が今思いついたフレーズかも）が示すように謎が解けると「なーんだ」というケースが多々あります。これも、どちらかというとそう。ＳＦとしてもミステリとしてもさほど感心する出来ではない。それでも過程の面白さがいささかでも減ずることはなかったのですが、ラストで・・・。５９１ページ2011/10/24
qoop
4
登場人物は魅力的だし設定も舞台も謎含みで興味をそそられるものの、突き抜けたスケール感が伝わってこない。それこそ重要だと思うのに…閉鎖空間の物語が災いしたんじゃないかなぁ。パズル的に創り上げられた世界観は、あるいは新本格好きには良いのかも。2011/05/14
