ハヤカワ文庫<br> 宇宙飛行士ピルクス物語〈下〉

ハヤカワ文庫
宇宙飛行士ピルクス物語〈下〉

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 366p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784150116811
  • NDC分類 989.83
  • Cコード C0197

内容説明

地球に似たイオタ星での調査活動最終日に起こったロボット失踪事件を語る「事故」、姿形だけでなく心理形態も人間そっくりの人造人間の能力を実証するため、かれらが人間に交じって乗り組んだ宇宙船の船長を引き受けるはめになったピルクスの苦闘を描く「審問」、火星への着陸時に突如制御不能になり、大事故を引き起こした自動操縦装置の謎をピルクスが解明する「運命の女神」など、宇宙飛行士ピルクスの活躍を描く連作短篇集。

著者等紹介

レム,スタニスワフ[レム,スタニスワフ][Lem,Stanislaw]
1921年、ポーランド領(現ウクライナ領)リボフに生まれる。46年にクラクフに移り、大学で医学や哲学、理論生物学などを学ぶかたわら執筆活動をはじめる。51年の『金星応答なし』で一躍人気を博する。以来、宇宙版ほら男爵冒険譚ともいえる「泰平ヨン」シリーズや、『ソラリスの陽のもとに』『砂漠の惑星』など、独自の批判的視点と想像力に満ちた話題作を次々に発表しつづけ、SF界で不動の地位を築いた。2006年死去、84歳

深見弾[フカミダン]
1936年生、1958年早稲田大学文学部卒、1992年没。ロシア文学研究家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ニミッツクラス

32
08年(平成20年)の税抜840円の青背初版。先発80年の同社海外SFノヴェルズを2分冊した下巻で4話収録。航宙士としての人間的成長や人とテクノロジーとの共存に含蓄がある為か、ピルクスが大活躍するとか職位が上がるとか言う話ではない。各話の出来事の設定を飲み込めば多少内向的ではあるが地味に面白い。巻頭は行方不明のロボット話。次は外宇宙からの遺棄船と千載一遇の邂逅。そんな時に限って…。次はアンドロイド乗組員のとった行動の論理とは。巻末は新造の弩級貨物船が着陸に失敗。後に続く2隻の同型艦の運命は…。★★★★☆☆2023/06/30

斑入り山吹

8
いやあほんとに面白かった。『泰平ヨンの航星日記〔改訳版〕』も面白かったが、ピルクスのこちらは全然味わいが違っていてシリアスで楽しめた。とはいえやっぱり、「ピルクスの話」が好きだったりして。やたらと話が上手くいくのもやたらと人死にが出るのもやたらとラブが出てくるのも好きじゃないので、レム氏のような大人の展開はツボにはまる。レム氏の本はそれなりに持っているが、ここ何年も手にとっていないので、そろそろ再読したくなってきた。2011/04/25

roughfractus02

7
人は見たいものだけを見る。未知なるものが描かれるSFジャンルでは、作者より読者がこの罠に陥りやすい。この罠に常に距離を置く作者は、広大な宇宙を描写するはずの物語に三人称を持ち込まず(「ピクルスの話」)、問題の解決と思われる最後に不意の幕切れを用意して、物語のラインに乗せた解決が実は主人公の推測であり(「事故」)、読者の勝手な納得である点に注意を向けさせる(「運命の女神」)。その一方で機械側から人間を捉えるサイバネティクスを採用する本書は、人間が接近して機械との境界が曖昧化する可能性も示唆する(「審問」)。2019/01/04

zope

7
空想宇宙失敗談。 どれだけ文明が進んでも人間はミスするし、コンピュータにはバグがあるということをいろんな切り口から緻密な理論を元に描かれている。これを30年前に書いてるのはありえないです。ホント2009/05/20

プラス3

5
内容を正確に表すなら「宇宙を舞台にした、人間と機械・コンピューターの物語」となるだろう。解説で「レムは強いAIを信じてなかった」とあるが、僕はそんなことないと思う。『テルミヌス』『狩り』『事故』『運命の女神』などを読むと「あるんじゃないかな?、なくても、あるようにしか見えなくて、自分もあると判断せざるをえないこともあるんじゃないかな」ぐらいには思ってたんじゃなかろうか。2015/02/16

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/534343
  • ご注意事項

最近チェックした商品