内容説明
星間調査部隊少尉アレックスが不時着したのは、太陽系から500光年離れた惑星トーカ。そこに住んでいたのはテディ・ベアそっくりのホーカ人だった。天真爛漫で想像力豊かなホーカ人、アレックスと出会って地球の文化に夢中になり、西部の男、ドン・ジョヴァンニ、シャーロック・ホームズなどなど、あらゆるものをまねしはじめたからさあ大変!てんやわんやの大騒動の結末やいかに?傑作ユーモア・シリーズついに登場。
著者等紹介
アンダースン,ポール[アンダースン,ポール][Anderson,Poul]
1926年ペンシルヴァニア州生まれの北欧系アメリカ人。ミネソタ大学で物理学を専攻。在学中からSFを書きはじめ、1947年に「アスタウンディング」誌でデビュー。科学者志望だったが、就職難のためプロ作家の道を選択。以来、五十数年にわたるキャリアの間に、『脳波』『タイム・パトロール』『百万年の船』など60冊を超える長篇と多数の中・短篇を発表。ヒューゴー賞を7回、ネビュラ賞を3回受賞。ハードSFからスペース・オペラ、ユーモアSF、ファンタジイにいたるまで作風の幅広さには定評があった。2001年7月、死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
MICK KICHI
67
知能が高く模倣習性のある外見ほぼテディ・ベアのトーカ星の住民ホーカによる地球文化のパロディとドタバタ活劇。どうしてもイウォークのイメージが浮かんでしまうが、こちらの方が先。 ホームズ、TVドラマの宇宙パトロール等のパロディが面白い…が、パターンが同じなのでちと飽きたな…。2020/10/30
亮人
16
テディベアそっくりの宇宙人ホーカ人は地球の文化のモノマネ大好き。西部劇、ドン・ジョヴァンニのオペラ、宇宙パトロール、シャーロック・ホームズ、スペイン海賊、アラビアの仏外人部隊、と地球のビデオや小説を見てはマネして好き勝手にやるから、地球人の全権大使に仕立てられたアレックスは巻き込まれてゲッソリ。でもホーカ人が可愛すぎるwwとくにホームズの回が最高!しっかりと謎解きもしてるのが笑えるw2017/05/18
kochi
16
惑星トーカに不時着した調査隊の地球人ジョーンズは、救助を待つ間に、カウボーイとインデアンの戦いの中に投げ出されるという異次元の危機に直面…地球文化に接触するや、高い知能と適応力を駆使して、徹底的に模倣してしまう、トーカの知的生物ホーカ。1メートルのテディベアそっくりのホーカ人が真面目に演じる宇宙パトロール隊やシャーロック・ホームズや外人部隊外人部隊出現する50年代のユーモアSFなのだが、今の時代であれば、異文化間の衝突を描いたともf^_^;2015/03/15
えーた
9
地球の文化に憧れ、虚構と現実の区別のつかないテディ・ベア型異星人が引き起こす地球文化のパロディ劇、それに図らずも巻き込まれ翻弄されてしまう地球全権大使アレックス・ジョーンズの織り成すユーモアSF小説の傑作です。正直、最初読み始めたときはハズレだったかな、と思ったりもしましたが、読み進めていくうちにおふざけの度合いが上がっていき、夢中で読んでしまった。基本的にナンセンスでほのぼのとしたお話なので、お風呂上り、ゆったりとくつろいだ時間などに読むのに最適な一冊です。FFでおなじみの天野喜孝氏による挿絵も可愛い。2016/10/18
kinka
8
惑星トーカの原住民、ホーカ人。天野喜孝氏の挿画のように、見た目はラブリーなテディベアだ。天真爛漫で飲み込みが早く、平和的。しかし思い込みが激しく、子供のように熱中しやすい。地球の文化に本気でかぶれ、星の各地で西部劇をやったり、ドン・ジョヴァンニを熱唱したり、ホームズが犯罪捜査したり、星間パトロールを立ち上げたり、ネモ船長が略奪を始めたり…。想像するだにラブリーだけど!子供の遊びは時に大惨事になりかねない。地球大使、アレックスはいつも収拾におおわらわ。しかし宥めるつもりが自分まで子供に戻ってしまうのだ。2016/01/11