内容説明
地球=火星航路に就航中のアルクトゥールス号が、何者かに襲われた。奇怪な光線により船体は分断され、緊急脱出した救命艇も牽引ビームで捕縛された。たまたま惑星間航行会社の社長令嬢を連れ、宇宙船下部のエンジン部門を案内していた計算士スティヴンスは、敵の隙をつき、閉じこめられていた区画を分離、脱出に成功するが、二人が漂着したのは、未知なる衛星ガニメデだった…“スペース・オペラの父”が描く宇宙冒険絵巻。
著者等紹介
スミス,E.E.[スミス,E.E.][Smith,E.E.]
本名エドワード・エルマー・スミス。1890年アイダホ生まれ。さまざまな職を渡り歩いた後、アイダホ大学に入学、その後、1919年にジョージ・ワシントン大学で化学工学の博士号を取得した。博士号取得後、化学工学の知識を生かして、食品加工技術者として働く。作家としては、大学在学中の1915年から5年の歳月をかけて処女作『宇宙のスカイラーク』を執筆、1928年に『アメージング・ストーリーズ』誌にこの原稿が売れ、デビュー。その後はたてつづけに、『火星航路SOS』をはじめ、『スカイラーク』シリーズ、『レンズマン』シリーズなどを発表。“スペース・オペラの父”の名を不動のものにした
井上一夫[イノウエカズオ]
1948年慶應義塾大学文学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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GaGa
50
注意!今からこの小説を読もうと思っている方は、この作品が今から80年前に書かれたものだと認識されてからお読みください。そうした上で、80年前の科学力をベースに、一人の作家が想像したものだと思って読めば、ジュブナイル小説としてそれなりに楽しめると思います。思えば私もレンズマンやスカイラークシリーズをむさぼり読んだのは10代前半。でも、今まで未読だったので読めてよかった(^^)2012/05/13
ニミッツクラス
11
06年の税抜800円の初版。先発75年刊行の同名書の実質的増刷だが、早川は“ハヤカワ名作セレクション”の新装初版として刊行。74年の創元の「惑星連合の戦士」も同じ本である。ドク・スミスのノン・シリーズの手堅い系内スぺ・オペで、木星人だの土星人だのを飲み込めば、本国刊行31年当時の米SF界の息吹を感じられる。瀬戸氏のカバーは現実的でない外惑星人の描写を避けた今時のイメージ。ともあれ、冒険野郎マクガイバー的な主人公青年と紅一点ナディア嬢の奮闘のみならず、虜囚仲間や他種族との共闘は良い構成で感心。★★★★☆☆2019/06/27
春風
4
ラブラブバカップルの太陽系漂流記(嘘は言っていない)2015/02/03
AR読書記録
2
“スペース・オペラの父”による、SF黎明期の宇宙冒険活劇、とな。現実に人類が宇宙への一歩を踏み出す30年前に、これだけのテクノロジーが描かれているのはすごいなぁと単純に感心。そして、主人公及びその仲間たちの、頭脳明晰、スポーツ万能、肉体堅固、女性に礼儀正しくありつつもいったん恋人になればどこまでも情熱的、完全無欠のヒーローっぷりにも感服。アメリカンヒーローの歴史、系譜というのも随分奥の深いものだったんだなぁ。とりあえず、荒俣宏『バッドテイスト』他でパルプマガジンの復習・勉強をしておこっと。2014/11/02
スプリント
2
良い意味でオーソドックスなSF冒険モノです。超人的な働きをする主人公と自らも行動するヒロイン。それを助けるこれまた超人的な仲間たち。冷徹な異星人。純粋に楽しみながら読むことができました。2013/09/27