ハヤカワ文庫
光の王

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  • サイズ 文庫判/ページ数 527p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784150115128
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

遙かな未来、人類は地球から遠く離れた惑星にインド神話さながらの世界を築いていた。地上の民衆は無知なまま原始的生活を送り、“天上都市”の不死となった“第一世代植民者”は科学技術を独占し、神として民衆を支配している。だが、シッダルタ、仏陀、サムなどの名で知られる男が、圧制下にある民衆を解放すべく、敢然として神々に戦いをいどんだ…たぐいまれな想像力で、SFと神話世界をみごとに融合した未来叙事詩。ヒューゴー賞受賞。

著者等紹介

深町真理子[フカマチマリコ]
1951年都立忍岡高校卒、英米文学翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

30
「面白いのに時間が経ったら絶版になってしまった本」について読友さんとコメントを交わしていた時に知った作家さん。転生技術を一部のエリート層が使えるのに対し、残りの人民の転生とそれを可能・発展させうる科学技術を制限することでカースト制を確立した未来。個人的に大好きな『トリニティ・ブラッド』のように魔術的とも言われる超科学技術の原理が出てくるたびにドキドキしました。科学者のサムことシッダールタが誘惑する悪魔、マーラ的立ち位置だったヤマと体制を打ち壊すために共闘を組む場面が熱かったです。2015/01/25

syaori

21
地球外の惑星に入植した人類の物語。その第一世代がヒンドゥー教の神々の姿を模して支配している世界です。主人公サム(仏陀)は、そんなシステムに疑問を呈し神々に対抗しようとしている人物。いきおい物語は神々の戦いという神話的な色調を帯びてきますが、その世界は高度な科学技術に支えられているのです。作者はSFと神話の融合を目指したようですが、ドームに覆われた〈天上都市〉で行われる結婚式での神々の饗宴は雄大で色鮮やかで、作者の目指した世界が見えるような印象深い場面でした。自分の好みとは少し違ったのですが楽しかったです。2016/06/20

いおむ

12
既読済みです。一時期ゼラズニィ嵌まりました。2019/02/28

Porco

6
インド神話とSFを融合させたゼラズニィの初期の傑作。 60年代に刊行されたこともあり、ハーラン・エリスンと並ぶ紋切り型なスペース・オペラから脱した人物だ。作品自体は、時代の差か中途半端にインド神話の知識があるせいなのか物語の展開が掴みづらく、遥か未来で神話の世界が再演されるという奇妙な世界に終始面を食らっていたという印象である。ただ、神話的なのかSF的なのか両方混ざった文法表現は非常に興味をそそられた。2022/06/18

不以

6
記憶転写システムなどの超技術がつくる実際的な「業と転生」によるディストピア。それに対抗するために選び取った武器は剣でも毒でもなく、仏教という「死を恐れぬ思想」というのが面白い。 高度機械や超能力で飾り付けながら、ここまで神話的雰囲気が出せるのかと驚いた。 ファンタジックでSFで超能力バトルであり革命的でありながら神秘的!ページをめくる毎に奇想天外だすげえ! 仏教を道具としてしか見なしていなかった主人公から、弟子に真の仏陀ともいえる者が誕生。それに驚きながらも弟子の話に黙って耳を傾けるシーンが感慨深いなぁ2012/09/24

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