内容説明
人類がカトリック教会、パクスの支配下におかれた32世紀。惑星ハイペリオンの青年エンディミオンは、老詩人サイリーナスの依頼で“時間の墓標”から現われた少女アイネイアーをパクスの手から守りぬき、地球にたどりついた。それから4年、アイネイアーは、人類の救世主たる自らの使命を果たすべくパクス支配領域への帰還を決意する。そして彼女と行動をともにしてきたエンディミオンもまた新たな冒険へと旅立つが…。
著者等紹介
シモンズ,ダン[シモンズ,ダン][Simmons,Dan]
1948年生まれ。教鞭をとりながら創作をはじめ、トワイライト・ゾーン誌のコンテストで一席に入選した短篇「黄泉の川が逆流する」でデビュー。処女長篇『カーリーの歌』(1985)で世界幻想文学大賞を受賞、その後も精力的に作品を発表しつづけている。ヒューゴー賞・ローカス賞受賞作『ハイペリオン』(1989)、英国SF協会賞・ローカス賞受賞作『ハイペリオンの没落』(1990)、『エンディミオン』(1996)、ローカス賞受賞作『エンディミオンの覚醒』(1997)は、四部作をなしており、1990年代を代表するSFとして読者の圧倒的な支持を獲得した
酒井昭伸[サカイアキノブ]
1956年生、1980年早稲田大学政治経済学部卒、英米文学翻訳家
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感想・レビュー
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KAZOO
98
4部作の最後のシリーズになりました。宗教の世界の陰謀などが描かれていて中世のような世界を思わせてくれます。このなかでの枢機卿などやそれを取り巻く様々な人物などがよく書かれていると思います。また前作で、シュライクに匹敵する強さを持っていたもののターミネーターの最後のような形で終わったと思ったネメスが生き返り同じような怪物が4人に増えていきます。神父大佐とその部下も生きながらえてわき役ながら活躍します。2025/06/17
akira
26
ハイペリオンシリーズ第7段。 さらに大きく動く物語。フィナーレを前に、役者たちは集い、場は整っていく。 語られ始める真相。コア、大いなる過ち、アイネイアーの秘密。初期ハイペリオンからの謎である聖十字架や転移ゲート。見え隠れする大きな事件。そして、前期四部作の中心にいたあの女性の再登場も気になるところ。 もはや、夫婦漫才のようになってきた宇宙船とロールの会話。なんだかんだ言いながら、美味しい役回りをもっていく彼(彼女?)が好き。 「あなたが帰ってきたとき、回収するようにとの指示は受けていませんでした」2014/05/11
ふりや
17
アイネイアー、ベティックと別れ新たな冒険の旅に出たエンディミオン。行く先々でわりと悲惨な目に合いながらも、トラブルを解決しつつ、追っ手をかわしつつアイネイアーとの約束を守るために宇宙船を目指します。基本的には前作と同じ流れで、エンディミオン一行とそれを追うパクス軍という構図ですが、なにしろ登場人物が多く、色々な場所で、色々な駆け引きを行っているので気を抜くと訳が分からなくなりそうです。しかし徐々に伏線が回収されたり、新たな驚きの事実が明かされたりと、物語が核心に迫りつつある様子には引き付けらます。下巻へ!2020/06/04
Small World
15
前作からだいぶ時間が経ってしまいましたが、4部作の最終巻を読み始めました。間が空いてるので、慣れるまで時間はかかりましたが、ロールのパートは相変わらずだし、教会パートも、なんかエライことになってるし、なかなか目が離せないw 二部になると世界の仕組みが語られて、いよいよクライマックスに向かっていく感じですね。2024/08/22
たこのまくら
15
4年の充電期間を終え、本格的に動き出す各勢力。下巻に向けて各勢力の隠し持っている情報が一気に読者に提示されるか?しかし未だにシュライクは自らの意思を持っていない分、謎の存在。デ・ソヤの動きも気になるところ。さらにはロールが「シュレディンガーの猫ボックス」に入れられることになった経緯も未だに謎のまま…。2017/11/23