ハヤカワ文庫<br> フラッシュフォワード

ハヤカワ文庫
フラッシュフォワード

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  • サイズ 文庫判/ページ数 470p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784150113421
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

全世界の人びとが自分の未来をかいま見たら、なにが起こるのか?2009年、ヨーロッパ素粒子研究所の科学者ロイドとテオは、ヒッグス粒子を発見すべく大規模な実験をおこなった。ところが、実験は失敗におわり、そのうえ、数十億の人びとの意識が数分間だけ21年後の未来に飛んでしまった!人びとは、自分が見た未来をもとに行動を起こすが、はたして未来は変更可能なのか…ソウヤーが時間テーマに大胆に挑戦する問題作。

著者等紹介

内田昌之[ウチダマサユキ]
1961年生、神奈川大学卒、英米文学翻訳家。訳書に『ターミナル・エクスペリメント』『フレームシフト』ソウヤー、『キリンヤガ』レズニック(以上早川書房刊)他多数
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ふりや

14
ある科学研究所が大規模な実験を行った際、地球のすべての人が2分間だけ21年後の未来に飛んでしまう現象が発生。人々は垣間見た未来を元に行動を起こしますが、「確定されてしまった未来」は様々なパニックやトラブルを起こしてましまいます。物語は実験に関わった科学者のロイドとテオを中心に進み、未来転移(フラッシュフォワード)の原因究明に乗り出しますが、やがてストーリーは意外な方向に…過去や未来は変えることができるのか?という普遍的なテーマのSFで、時間のパラドックスや、自由意志と決定論に関する考察が興味深かったです。2021/06/06

スターライト

9
ヒッグス粒子の存在を確認するニュースが散見されるこの時期に、ちょうどタイムリーに読めた。宇宙誕生直後の状態を作り出すための実験が、全世界の人々の意識を2分間だけ21年後の自分に「転移」させ、未来を垣間見せてしまう。その原因究明と、自分の死の真相を解き明かそうとする二人の科学者を軸に物語は展開。テオがトンネルの中で逃走するシーンは、手に汗握った。ていうか、カートには通信設備がないの?と突っ込めないこともないが、面白かった。でも、21年後の自分たちの意識って、過去の自分の意識が入った時どこにいったのか?2013/03/15

やすお

8
CERNの加速器を使った実験をしたら、全人類が意識を失い、なぜか21年後の未来を2分間だけ垣間見てしまう事態(フラッシュフォワード)に陥った。未来は固定されているのか、自由意思で変えられるのか、地球全体を巻き込みながら物語は進む。米国でドラマ化されている(私は未視聴)が、確かに映像化すると映えそうな作品だ。さて、人類は勝手なもので、フラッシュフォワードが起こる条件が整った時に、意図的にフラッシュフォワードを発生させる。前半は淡々とした展開だったのが、一気にフィクションとしての面白い展開となる。2017/09/09

どーなつ

2
ラプラスの悪魔の解説や、5次元空間とはこういうもの、さらに6、7、8次元とはこういうもの、みたいな動画をたまたま見たあとに読んだせいか、小難しい内容がスルスルと入ってきて非常に面白かった。大学生時代、筑波のKEKで実験させてもらったことを思い出した2021/12/11

mash

2
加速器の実験で世界中の人が20年後の未来を自分の視点で少しだけ見てしまうという話です。アメリカでドラマ化もされているようです。設定は良いのですが、物語の深みという点では個人的にいまいちでした。20年後に小説家としての夢が叶っていない光景を目の当たりにして自殺してしまう若者が出てくるのですが、あっさりと描かれすぎてました。 例えば今年映画化された「あなたの人生の物語」のように、バッドエンドと分かってても過程に価値を見出せる人間を描いたり…面白い設定だったのでもう少し深みが欲しかったです。

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