内容説明
地球をめぐる巨大な軌道スタジオに再現されたLAのセットで、レプリカントとブレードランナーのデッカードの死闘が撮影されていた。だが、みずからの伝記映画のアドバイザーとして撮影に立ち合っていたデッカードの目の前で、敵を演じていたレプリカントが本当に射殺されてしまった!やがて、謎のブリーフケースを受け取ったデッカードは、レプリカントの反乱をめぐる複雑怪奇な陰謀の渦中へとまきこまれていくが…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みのくま
14
地球を離れることにより人間は生殖能力と共感力を失い、逆にレプリカントは地球を離れることにより生殖可能となり人間に近づく。同じくサラも、自分のレプリカントであるレイチェルが死してなおデッカードに人間として愛されるのと反比例するように人間としての機能を失っていく。人間ならざるものの方が人間よりも人間らしいという矛盾。また、映画ブレードランナーの撮影場面をも小説として取り込むメタフィクションは、作るもの(人間)と作られるもの(レプリカント)の暗喩としても面白い。映画と小説、そしてディックの原作が混ざり合っていく2018/03/11
hikarunoir
8
この世界で撮られたフッテージで作ったのが2049とも、2049世界のプロパガンダ映画が本作とも言え、続編翻訳のない現時点なら未だ脳内補正可能。2019/06/06
ゆき (Kou)
5
ブレードランナー2049公開記念。 前作とうって変わらず、映画のキャラクターを二次創作的に摘み食いしながら冗漫かつクドい文章で安いハードボイルドを展開している。人間とレプリカントの定義を行き来するテーマや喋る時計など前作以上にディックを意識した構成は評価できるが、ベースとなる後出しの連続ストーリーにはなんら面白みを感じられなかった。細かいどうでもいい設定には何ページも割いて理屈をつけるくせに、肝心な疑問点には「オレには分からないが...」を連発するのは小説として如何なものか。2017/12/19
ishito
3
映画の続編その2。面白い着想はいろいろあるけど、なかなか話が進まず。肝のアイデアはいいのだけれどSF的な説得力がなくてもったいない。イーガンみたいに理屈をぐじゅぐじゅこねて欲しかった。 ドクターアダー読んでみようかな。2017/10/31
ニミッツクラス
2
ブレードランナーの3作目(映画含む)。表紙絵、左側のビルは柱が特徴的なブラッドベリ・ビルディング(本物の外観は普通)で、映画でプリスがセバスチャンのバンにぶつかる場面が想い出される。さて、解説にもあるが、まさに本書のために前作「レプリカントの墓標」が書かれている様を呈し、あらゆる謎が意表を突いた結末に収束して行く。著者ジーターの構成力には感服した(但し、書き込みが細かい、と言うかくどい)。続編「Eye and Talon」の邦訳はどうしたのかなぁ。待つ間にDS9の「血の福音」を読んでみようか。★★★★★☆2011/11/30
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