内容説明
人類が夢みていた月世界への旅がついに現実のものになろうとしていた。砂漠に建設されたロケット打揚げ基地ルナ・シティから、宇宙船プロメテウス号が発射されるのだ。この史上初めての壮大なプロジェクトを成功させるべく、世界各国から選抜された乗組員たちは、厳しい訓練をかさねてきた。その苦労がようやく報われようとしていたのだが。果てしない宇宙と未来に賭ける人々の夢を鮮やかに描く巨匠クラークの処女長篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ニミッツクラス
7
92年の初版(480円)を読んだ。SF好きの肝をわしづかみにするあまりにも美味しい話で、アポロ計画後に宇宙探査計画が頓挫したままの現実と比べると涙目にならざるを得ない。クラークが処女長編として世に出したのが51年で、ケネディ大統領が“月へ行くのだ”とぶちあげてぎりぎりセーフだったのが69年・・クラークの喜ぶ様子が目に浮かぶなぁ。Gブースターで無理やり打ち上げた現実に比して、電磁カタパルトと言うかレールガンと言うか、クラーク方式の方がスマートに思える。死ぬまでに月へ行きたいなぁ・・また泣き・・。★★★★★☆2015/03/22
サンライズ
1
ドキュメンタリー番組を見てるような感じ。現実のアポロ計画の方が力技に思えるぐらい、緻密に描かれている。 特に打ち上げ基地に行ってからは、静かに興奮が増していく臨場感を感じられる面白い作品だった。2018/01/01
ゆりいか
1
僕の考えた最高の月探査計画!本の内容はそんな感じなんだけど、そこはクラーク。大平洋戦争から二年後に書かれたとは思えないほどの緻密な描写に驚く。放射線対策でロボットを使う等の発想がこの頃には既にあったという発見もあった。谷甲州の解説も易しく面白かった。ドラマ性は薄いが、望遠鏡で月を覗くシーンはロマンチックだったな。2015/11/18
佐藤司
1
やっぱりクラークはいいなぁと呟かずにはいられない。楽園の泉とか神の鉄槌とか淡々と進むけど味わい深く一時たりとも目を離せないストーリーはSF者にはたまらない。こういう話が読めるからSF読んでてよかったなぁとしみじみ思う。2012/12/19
okaka
1
戦後すぐに書かれた月旅行計画のお話し。今となっては古くさく見えてしまうかと思いきやえらく面白かった。クラークはやっぱり技術開発系の話を書かせると無敵だと思う。2011/03/09