内容説明
会談は決裂した―第三世界のデータ海賊のひとりが、正体不明の無人機械に殺されたのだ。疑心暗鬼におちいり、復讐にのりだすデータ海賊たち。だが情報社会に暴力が無意味であることを確信するローラは、彼らを再度交渉のテーブルにつかせるため、単身旅立つことを決意する。グレナダ…シンガポール…権力と軍、秘密警察が一体となってデータ海賊行為をはたらく国々。そこでローラを待ちうけていたのは、想像を絶する悪夢だった。90年代SFを担うスターリングが果敢に新機軸を切りひらき、キャンベル記念賞受賞に輝いた話題の傑作長篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sakadonohito
8
怒涛のエンタメ展開て感じなんですが、最後が理解できませんでした。ソ連崩壊よりも前の時代に書かれた作品ですが、それなりに面白く読めました。少し残念なのは、近未来を描いた設定が現在より過去になってしまっているのに対して作品の設定ほどには現実は進歩していなかったことです。2024/03/19
roughfractus02
3
情報が権力となる世界でも、その活用の仕方から旧来の善悪の区別が曖昧に流用されている。が、民主的な活用(ライゾーム社)と利己的盗用や漏洩(ネット海賊3社)との和解は、ドローンでの後者の要人殺人で砕け散る。常時「ネット」に接続された人々にアクシデント、クラッシュによって事実の存在を知らせるかのように、テロ組織FACTは「ネット」の狭間を暗躍する。家族から離れて世界を駆け巡る女主人公の周りにあるのは、広がりを持つ空間や直線的に進む時間で出来た現実ではなく、瞬間と強さによってネットワークを遮断する「事実」なのだ。2018/10/03
カワカミ
0
下巻はめまぐるしく場面が変わって行くこともあり、一応、楽しんで読めた。伊藤計劃の『ハーモニー』は結構これを下敷きにしているような感じ。2015/04/20
Small World
0
表紙は女性の入った下巻のものの方が好きだったのですが、表示されてないですねw。今は、もう古くなったと感じる表現ですが、刊行当時もクラシックな雰囲気を持っていたのを憶えています。2008/07/07
レンズマン
0
900
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