ハヤカワ文庫<br> 波が風を消す

ハヤカワ文庫
波が風を消す

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  • サイズ 文庫判/ページ数 284p/高さ 16X11cm
  • 商品コード 9784150108588
  • NDC分類 983
  • Cコード C0197

内容説明

閑静なリゾート地に見るもおぞましい疑似生物が出現し、住民をパニックに陥れた。ほぼ時を同じくして、惑星サラクシの超能力者シャーマンが地球から帰還後消息を絶ったという報告が入る。かれははるばる地球の超能力研究所を訪問しながら、わずか一時間ほどで逃げるように立ち去っていた。コムコン‐2〈異常事件〉部の伝説の男マクシム・カンメラーの指令を受け、調査員トイヴォ・グルーモフは次々とわき起こる不可解な事件の捜査を開始した…。ソビエトSFの雄が『蟻塚の中のかぶと虫』に続き壮大なイマジネーションを展開する傑作長篇。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴィオラ

9
マクシム・カンメラー3部作のラスト。90歳間近になったマクシムの、とある事件(?)に関する回想録の形をとった一作。この形式も変化球で面白いけど、解説で川又千秋さんが言っている「違和感」が楽しい。この違和感が、この作家独特な物なのかソ連という国によるものか、判断は付かないけれど、英米などの小説とは違った手触りがあるのは確かな気がする。 作家さんって、歳をとると自分の諸作品の世界をまとめたい欲が出てくるのかな? 今作にも「トロイカ物語」と同じような記述が出てくるし、ストルガツキー ・ユニバースって結構楽しそう2019/07/07

スターライト

1
三部作の第一部では20歳そこそこの若者だったマクシムも、本書では89歳。それは、自身が書いた回想録という体裁をとっている時点での年齢であり、そこで語られる事件が起こった当初は59歳となっていて、部長に昇格している。三部作第二部だった『蟻塚の中のかぶと虫』も行方不明者の捜索が人類という種に関わる謎の解明へと結びついていたが、本書もほぼ同じような感じである。三部作第一部から登場する<遍歴者>の存在が、本書では超能力研究所、類人類という設定を加えて改めてクローズアップされる。2010/03/27

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