内容説明
人類文明発祥の地、エジプト。今なお古代文明の残り香が漂うこの土地に、エイリアンは興味を示した。やがて彼らの壮大なプランが実行に移されたとき、エジプトは天地創造以来の大激変に見舞われた…新たな神話の誕生を描く表題作。ひたすら加速しつつ大宇宙を飛びゆく宇宙船の物語「相対論的効果」。冷凍睡眠で未来社会に甦り、ジョン・レノンだといつわってスターの座をねらった男の悲喜劇「ドゥーイング・レノン」など、現代ハードSFの旗手のバラエティ豊かな傑作中短篇を一堂に結集したベンフォード・ユニバースへのガイドブック登場。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
小説大好き
1
物理学者としての知識を大いに活かす優秀なハードSF作家兼文学批評家だと評価されているベンフォードですが、個人的にはどうしても二軍筆頭のイメージが拭えません。序盤の「異星人の体内へ」は文章とイメージの豊かさに「おっ!」と思ったのですが、その他の短編はあまりにも着想と仕掛けに比重を置きすぎており、更には一編毎に後書きで種明かしまでしてくれるという雄弁ぶりに、アイデアが優れていようと語り口が一辺倒だと魅力が半減するのだな、と辟易してしまいました。また、彼の偏見がにじむ威圧的・権威的な作品批評や文化論も苦手です。2022/02/05
kinaba
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『時の破片』のアイデア、夢があって面白いなあ。まさにScienceでFantasy。あとがきにある通り発想は必ずしもオリジナルではないそうだけど、これを見出して物語としてしたてあげて僕の元まで届いてくれたことが嬉しい2010/03/16