ハヤカワ文庫
エデン

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  • サイズ 文庫判/ページ数 422p/高さ 16X11cm
  • 商品コード 9784150107451
  • NDC分類 989.83
  • Cコード C0197

内容説明

惑星エデン―宇宙空間に巨大なオパールのしずくのように煌めくその星に、6人の地球人科学者を乗せた宇宙探査船が不時着した。だが、地表で彼らが見たものは、巨大な生体オートメーション工場と、その大量の廃棄物、そしてエデン人の累々たる死骸の堆積だった。一つの個体が労働部分と思考部分に分かれた複体生物であるエデン人に、いったい何が起こっているのか?地球人科学者はエデンの人との知的接触をはかろうと試みるのだが…。未知なるものとの出会いを豊かな想像力と哲学的視点から描き、『ソラリスの陽のもとに』『砂漠の惑星』とともに三部作を築きあげる問題作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

はなよ

15
終盤に入るまで面白くない。星の環境は殆ど地球と変わりないから退屈な描写が続く。しかも6人いる探検隊の内、名前があるのは一人だけで、残りは役職名で描写されるから分かりづらい。レムの小説を数冊読んでれば、先の展開が読めてしまうので途中から流し読みしてた。それでも事態が動き始めると面白くなってきたので、訳が改善されれば化けると思う。2020/05/04

sakadonohito

13
惑星エデンに不時着した6人は未知との遭遇をする。想像力がないので未知なるものの描写についてはよく分からないので読み流したが、そういった不測の事態の連続の中で現実をどう受け止めてどう判断するかや、仲間達との会話の部分で楽しめた。2022/05/08

ネムル

11
レムのファースト・コンタクト3部作(?)の1作目。未知との遭遇が思弁性手前の冒険小説のように描かれる。次々とアクシデントは続くが、イメージがいまいち脳内変換されないまま読み終えてしまった。2017/07/17

アルビレオ@海峡の街

9
このモヤッとした終わり方はいかにも。異星生物とのコミュニケーションなんて簡単にとれるもんじゃあないんだよ、と主張するレムさんお得意のファーストコンタクトもの。エデンに不時着した地球人が、スタートレックよろしく未知の惑星を探検してまわる。レムの想像力によって構築された世界観は、描写が具体的なのになぜか脳内で映像に変換できない。だがこれこそがSFとも言える。複体生物にしろ、奇怪な植物や謎の工場にしろ、とにかくすぐには理解できないものだらけだ。それでもその理解不能を楽しむのも良いかもしれない。2022/09/13

roughfractus02

8
従来のSFはファースト・コンタクトとコミュニケーション可能性を他の知的生命体に同時に求めるが、両者を区別して後者の不可能な他者を設定してきた作者は、本書では主人公たちを夥しい死体の群れに遭遇させ、前者に対する期待すら切り捨てる。近代冒険小説から派生したSFを踏襲する本書は、英雄的冒険者を登場させず、異世界に反応する6人の知の習性の側に焦点をあてる。こうして、データの情報への転化不能な場面を繰り返す物語は、聖書において人間知性以前の世界だったエデンなる名を、知性の限界とその悪循環を剥き出しにする場に変える。2018/12/30

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