内容説明
赤道上を地球の自転と同じ速さで動き、そのため同じ地点の上に永遠に止まっている同期衛星や宇宙ステーション。天体力学の法則によって物体が空に静止していられるものなら、そこからケーブルを地上にたらし、地球と宇宙空間とを結ぶエレベーターができないものだろうか?4万キロにおよぶ〈宇宙エレベーター〉―この壮大な夢を胸に、地球建設公社の技術部長ヴァニーヴァー・モーガンは、赤道上に浮かぶ美しい島国、タブロバニーへとやってきたのだが…。自らの夢の実現に向かって突き進む天才科学者の姿を見事に描く、巨匠クラークのヒューゴー賞、ネビュラ賞受賞作!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふりや
10
地球建設公社の技術者ヴァニーヴァー・モーガンが「宇宙エレベーター」の建設の夢を実現させるために奔走する「プロジェクトX」風の物語。宇宙への夢を抱える技術者というのが自分の大好きな作品、フレドリック・ブラウンの『天の光はすべて星』に通じる所がありました。物語の起伏はやや地味かもしれませんが、建設地にまつわる宗教的なオリエンタルな挿話だったり、平行して語られる未知の知的宇宙生命体の話などが作品に色を添えています。終盤はアクシデントに次ぐアクシデントの連続を主人公が解決してゆく過程がとてもドキドキしました。2020/04/27
仲本テンカ
5
宇宙へ行くのなら、ロケットよりもエレベーターで。この事に早くも気づいていたクラークは、やっぱり偉大だと思いました。が、本書は物語なのか科学的な話なのか、どっちつかずで読み辛かったです。あー、しんどかった。2013/08/14
k16
4
20130120読了。 宇宙エレベーター。 アイディア等々面白いのだが前半全くついていけず。 終盤は面白かった。 けどスターグライダーの件もよくわからんかったっちゃんねぇ。2013/01/20
tegi
3
内容は覚えていないのだが、技術者の人生を描く知性的かつみごとな叙情性のある語りに強く惹かれた記憶がある。働きながら読むお仕事小説としてすごくよかった。
夏みかん
2
巨匠の大傑作と言われるだけあって、SFなのに細かくしっかりした描写で現実感が感じられ、エピローグでの伏線の回収もお見事でしたが、科学を崇拝してる人でないと共感できないかもしれない。場所を日本にして考えてみて、富士山に軌道エレベーターを作ると考えてみて賛成できるかどうかで判断してみれば良いかも。ま、宗教的なことはさておき、子供の頃は大人になったら月への旅行ぐらいは軽く実現してると思ってたのにまだまだですね。2017/11/16