内容説明
〈ストーン〉をめぐって、国際情勢はいよいよ緊迫してきた。情報の公開をもとめるソビエトが、宇宙軍をくりだして〈ストーン〉に迫ったのだ。それと前後して、アメリカの天才美人物理学者パトリシアが、調査隊によって〈ストーン〉に招かれた。彼女がそこで見たのは、内部の空洞から無限の彼方へと一直線にのびる超空間通廊だった!パトリシアは調査隊と協力して精力的に研究をつづけたが、一方ソビエトは、〈ストーン〉、地球相方でついに大規模な軍事作戦に踏みきったのだ!期待の新鋭グレッグ・ベアが、無窮の時の流れを背景に、雄大に描きあげたSFスペクタクル!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Small World
23
下巻は一気に読み上げました。後半の道とゲートの件は半分程度の理解で読んでいきましたが、十分、面白かったです。あまりにも壮大過ぎて、イメージできないことも度々ですが、これぞSFって感覚が味わえます。25年前に買った本書ですが、実は、続編も同時購入してたりするので、そのうち読んでみようと思っています。2016/11/20
to_chan
10
下巻に入ってますます面白かった! 大傑作。 これは良い古典。 ただ、ある登場人物がいきなり発情期に入ったのに戸惑った。2023/08/19
ぶうたん
8
読み終わるまで随分と時間がかかってしまった。前半のストレートな展開から一気に登場人物が増えて色々な方向に拡散していくため、ストーリーの勢いが削がれてしまった印象は否めない。とにかく著者の頭にある数々のアイデアがぶちまけられているので、ストーリーを追いかけるのが精一杯で、理解が追いつかずついていけない所もままあった。最後は登場人物たちのその後を描いて古典的な決着の付け方をしているのは良かった。2023/06/10
田氏
5
本作を特徴付けているのは何と言っても"道"という世界設定の奇抜さだろうか。SFを読み込んでいる方から見てもそう思えるかは知らん、と先に言い訳はしておこう。さておき、自分の貧相な発想においてSF的世界とは時空を超えたり亜空間に飛び出たりという、言わばこの3次元空間に次元を足し算していくものであった。しかしグレッグ・ベアは逆に1次元的な世界像を提案してきた。それが"道"である。北と南、過去と未来という直線的な世界観ではあるが、そこには他世界との繋がりや選択肢、可能性といった多次元性が内包されている。いやはや。2016/06/11
ジンベエ親分
5
ストーンの光景を始め、読解力と想像力を振り絞って読まないとついて行けない中、物語が疾走を始めると途中で中断することができなくなり、結局深夜までかけて一気読みしてしまった。この脳みそを振り絞りながら読む感覚がSFの楽しさと改めて実感。ただ、上下巻にするほどの内容かな?とは思った。1冊にまとめるくらいが適当じゃないのかなー。そのあたりは大人の事情、というやつっぽいけど。ラストの結論も、それぞれ余韻を残して単純なハッピーエンドではないけれど印象深い読後感。この作者の天界シリーズも好き。2015/12/16