感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ニミッツクラス
8
86年の420円の初版。メドシップの3巻目で、同シリーズ8編の内の2編を収録。曲線を用いた、当時としては時代を先取りした航宙船のカバーは、表題作における惑星ウィールドの静止軌道上の貨物船群に接舷するメドシップを描いている。前2巻にも増して活劇の要素が強く、特に表題作では、押しが弱いかなと思っていた医療局員カルフーンの別の一面を見た印象。紅一点のマリルともスペオペとは思えない関係を保ち、ラインスターの人となりを反映しているのか興味深いところだ。活劇中に死んでいた可能性も多々あるので構成は微妙。★★★★☆☆2015/12/23
鐵太郎
7
これはやはり西部劇か。スペースオペラだから西部劇というのではありません。荒野の果てからやってきて、町の混乱を静め、悪いヤツをやっつけ、礼の言葉を背中に聞いて去っていくガンマン、という風情じゃありませんか、これ。今の目から見ると、医療SFという観点ではやはり不十分。行き詰まってしまった町の混乱の謎を解いて、夕陽のなかに消えていく正義のヒーローという姿で見た方が、琴線に触れるものがありますね。60代になった老作家が、笑みを浮かべながらタイプを叩いている姿を想像しました。いいな、こんなのも。2010/09/20