感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
128
20世紀の代表的なSF作家レムの名作。行方不明になった宇宙船を探索するために未知の星に降り立った探検隊のメンバーが、想像を絶する危険に巻き込まれて、人間の無力さを実感する。普通のSFのような胸を躍らせるセンス・オブ・ワンダーは控えめで、いろいろなことを読者に考えさせる。特に人間が全く未知の存在に出会った時はどうすれば良いのか、という問いかけは重い。物語の結末が印象的で、テクノロジーではなく、一人の人間が危機に正面からぶつかっていく。この結末に人間の可能性を信じる作者の祈りのようなものを感じた。2016/03/31
どらがあんこ
12
蜂のたとえでベルクソンを思い出す。学者グループの中に哲学者がいたらどうなっていただろうか。SFにおける他者論はやはり面白い。2019/07/31
monado
5
レムというと思弁的で哲学的というイメージだが、本作は普通に面白いハードSFの傑作。惑星に潜む謎が、少しづつ解き明かされていく手練はなかなかのもので、読んでいてワクワクする。2017/11/04
ヤーマダ
3
SF的な驚きと人間ドラマがいい塩梅に絡んだバランスの取れたエンターテイメントとして楽しめた。謎の惑星でいったい何が起こったのかという謎が次第に明らかになって来るサスペンスタッチの導入からワクワクさせられ、最後までダレることなく読み終えることが出来た。それにしても「砂漠の惑星」って邦題はちょっと地味過ぎる気が…。2016/03/19
根雨一郎
3
やはりレムは凄い。『ソラリスの陽の下に』でも思ったが、いつか我々が星の海に乗り出した時、同じような挫折を味わうのだろう。2011/02/13