ハヤカワ文庫<br> 10月1日では遅すぎる

ハヤカワ文庫
10月1日では遅すぎる

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  • サイズ 文庫判/ページ数 257p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784150101947
  • NDC分類 933

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

新地学@児童書病発動中

117
時間とは何かを問う野心的なSF。1960年代の地球で、世界各地に急に別の時代らしき世界が出現して、音楽家である主人公がその謎の変化に巻き込まれていく。作者のホイルは物理学者でもあるので、量子論を使って、時間の流れが一つではないことを作中で説明している。私達が生活しているこの時間の流れは、宇宙の中で唯一の時間ではないのかもしれないだ。ユニークな仮説を巧みに小説の中に取り入れて、目も眩むような壮大なスケールの物語を作り上げていると思う。いくつもの時間の流れがあるのなら、それを作ったのは誰なのだろうか。2016/04/10

ミツ

18
10月1日に無事読み終えたがやはり遅すぎた。この作品にこのタイトルをつけるのはなるほど確かにセンスを感じる。著者は高名な天文学者とのことだが、ちょこっと量子論、時間論が出てくるくらいでそんなにゴリゴリの科学描写はなく、さらりと読める。むしろ主人公が音楽家であることによる和声や対位法などの音楽ネタが割と詳しくちりばめられているのに苦戦した。また、様々な年代のパッチワークと化した世界を旅する主人公の冒険小説のようでもあった。SFとしてはやや古臭く感じられるが、読んでおいて損はなかったと思う。2017/10/01

波璃子

18
時間SF は数多くあれど、なかなか出会えないタイプの話で面白かった。私は取って付けたような大団円より切ない終わり方が好きなのでこの作品のラストが好きだ。音楽に明るくないので度々登場する音楽の描写に入り込めなかったのが悔しい。2017/04/12

KANEO

8
突然に過去、現在、未来が世界各地に、地域毎にモザイクのように一度に存在するようになってしまった世界を描いた時空SF小説。その設定のアイディアが特異で、タイムマシンなどを使わなくても、飛行機や船等で地域を移動するだけで別の時代に冒険に行けてしまうのが面白い。作者の時間、時空に関する解釈が興味深いが、僕には一度読んだだけですべてが理解するのが難しかった。頭の中を整理していつかもう一度読み直してみたい。2013/06/10

ゆぽんぬ

5
過去、現在、そして未来へと不断に流れゆくべき時が崩壊し、全て「同時に」パッチワーク的に存在することになる。物語の中で、時間は幻想で、意識は無数の多世界の状態の中で、順番にそれを照らし出しているに過ぎないと話される。その順番というのも、時間とは関係なく任意のものでよく、意識の連続性というのもまた幻想だ、というもの。うーむ、難しい。 絶版、1966年。音楽とSF。意識と時間。伊藤典夫の翻訳は読みやすくて良い。2020/11/18

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