感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ニミッツクラス
5
76年の初版(370円)。カバーは田中氏で、火星人の悪党ミコと、ヒロインのアニタ。挿絵はとても良いが、口絵はもっと印象的な場面を選んで欲しかった。著者がカミングスで、斎藤氏の翻訳で、直球のスペオペタイトルで、31年製・・そして主人公の航宙士ハルジャンはモテモテだ・・今読むから逆にすごいよ、これと思える。28年の「宇宙の果てを越えて」と比すれば活劇に徹しており、宇宙の行く末を心配しなくて良いのは気楽だ(笑)。月よりはるかに小さな小惑星に充分な大気があるという設定が嬉しい。巻末に解説が全く無い。★★★★☆☆2015/09/15
がんぞ
2
原作1931年と言うから相当古い、しかも日本で戦前に翻案されたという輝かしい履歴が横田順弥『日本SF古典こてん』にある。当時の国際状勢の反映か、地球・火星・金星が「豊富な月の地下資源」を狙って暗躍する。地球に白人しか居ないかのよう。「地球人で裏切る者が居るだろうか」と言ったりする。「スパイ光線」というガジェットはEEスミスなどにも登場するが、この作者が元祖か、反射到達でも音声を拾えるらしい。早くも携帯電話(この文庫本が出た昭和50年代には夢)が登場するが、宇宙船の船内で無造作に使うのはどうかな。2013/07/03