感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鐵太郎
9
階層世界という異様な、魅力ある世界を作ったファーマーが、第二作では全く別な世界を作り上げてそこで主人公だけを活躍させました。シリーズものの作家としては、大変な冒険です。この結果がどうなったのか。とはいえこの物語は、妻クリュセイスを父ユリゼンに奪われた上帝ジャダウィンことロバート・ウルフの妻を求める冒険。それはそれで痛快。2007/03/10
記憶喪失した男
2
階層宇宙シリーズの第二作である。 このシリーズは、宇宙を自由に作れるようになった人類の時代を描いている。 つまり、かなりの遠未来である。人は一度はそういう世界を空想するだろうが、 それが実際に書かれたのが、このシリーズである。 登場人物たちは一人一個の宇宙を所有し、贅沢の粋にある。
荒川水路
1
全能の男が世界を作り、その中に子供達を呼び寄せて殺そうとすると言う、ちょっと神話的な話の第２弾。ディックの「宇宙の眼」を読んだので、確認のために再読。こっちの方が面白い。ディックファンとして申し訳ない。 "役に立たない小説"と言う言葉を思いついた。ここにはビジョンもないし、先見性もない。心温まる事もないし、ハラハラドキドキと言う事にもならない。仇の悪党にはらわたが煮えくりかえる事もなく、主人公の純粋さに感動する事もない。ないないづくしの小説ではあるが、あるのは面白さだけ。物語を読み尽した大人の小説である。2015/09/05
