ＨＡＹＡＫＡＷＡ ＰＯＣＫＥＴ ＭＹＳＴＥＲＹ ＢＯＯＫＳ 夜を駆ける女たち

ノール，ジェシカ【著】〈Ｋｎｏｌｌ，Ｊｅｓｓｉｃａ〉/国弘 喜美代【訳】

早川書房（2025/06発売）

• サイズ 新書判／ページ数 464p／高さ 19cm
• 商品コード 9784150020170
• NDC分類 933
• Cコード C0297

出版社内容情報

大学女子寮で学生が惨殺された。犯人を目撃したパメラのもとに、国の反対側からティナが会いに来た。ティナは4年前に失踪した恋人を捜しているという。彼女たちが手を取り合い、調査をしていくと、警察も気づかなかった、巨大な連続殺人事件が浮かび上がる！

内容説明

１９７８年、フロリダ州立大学女子寮で２人の学生が殺害され、２人が重傷を負った。犯人を目撃した女子学生社交クラブの支部長パメラに、ティナという女性が近づいてくる。ティナは４年前に起きた友人の失踪事件と今回の事件との関連に気づき、ワシントン州からやってきたのだ。パメラは目撃者としての責任感からティナと犯人を追う決意を固める。調査を進めると、犯人は逃亡中の脱獄犯であることが判明して…。３０人以上の女性が殺害された実際の連続殺人事件を元に、女性の視点で現代社会の歪みを描く衝撃のミステリ。

著者等紹介

国弘喜美代［クニヒロキミヨ］
大阪外国語大学外国語学部卒。翻訳家

ノール，ジェシカ［ノール，ジェシカ］ ［Ｋｎｏｌｌ，Ｊｅｓｓｉｃａ］
作家、脚本家、プロデューサー。デビュー作Ｌｕｃｋｉｅｓｔ　Ｇｉｒｌ　Ａｌｉｖｅ、２作目Ｔｈｅ　Ｆａｖｏｒｉｔｅ　Ｓｉｓｔｅｒはいずれも《ニューヨーク・タイムズ》紙のベストセラーとなった。ミラ・クニス主演のＬｕｃｋｉｅｓｔ　Ｇｉｒｌ　Ａｌｉｖｅでは脚本、製作総指揮を務め、２０２２年にＮｅｔｆｌｉｘで配信された。現在、夫と愛犬と共にロサンゼルス在住（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[ヘラジカ]

実在のシリアルキラーをモチーフにした小説というと、今まで読んできた作品は確かに犯人像を再現しようとするものばかりであり、被害者やその友人・家族の存在感は稀薄であった。この作品は逆に犯人の”キャラクター”を極限まで薄め、人生を狂わされた犠牲者とその友人の戦いや苦悩に焦点を当てている。女性たちが生きている社会を考えると「誰に殺されたのか？」との問いは簡単なようでいて、容易に答えを出せるものではないことに気づかざるを得ない。単なるミステリやスリラーというジャンルに分類するにはあまりにも複雑で重い。鮮烈な一作。

2025/06/09