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出版社内容情報
英国の田舎町チャンプトンの司祭ダニエルは悩んでいた。教会のトイレ設置をめぐって住民が真っ二つに割れてしまったのだ。そんななか裕福な地元の名士が夜の教会で殺された。住民をまとめあげ、犯人を突き止めるには司祭が適任だ。狡猾な犯人にダニエルが挑む
内容説明
1988年、英国の田舎町チャンプトン。英国国教会の司祭ダニエル・クレメントは悩んでいた。教会にトイレを設置するか否かをめぐり、村が真っ二つに分かれてしまったのだ。そんななか、夜の教会で事件が起こる。地主一族ド・フローレス家の関係者が剪定ばさみで喉を掻き切られ殺されたのだ。犯人は村民なのか?動機は一体?ダニエルが司祭として遺族や住民に寄り添い、話を聞くうちに、村の歴史と住民の裏の顔、そして事件の全貌が浮き彫りになっていく…。英国国教会の現役司祭による注目作!
著者等紹介
コールズ,リチャード[コールズ,リチャード] [Coles,Richard]
1962年生まれ。英国国教会司祭、ラジオパーソナリティ、ミュージシャン、作家。これまでに自伝やノンフィクションなど20冊以上の著書がある。初めてのフィクションである本書『殺人は夕礼拝の前に』は、2023年全英図書賞犯罪・スリラー部門にノミネートされた
西谷かおり[ニシタニカオリ]
東京外国語大学外国語学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たま
65
オースティンの小説ではイギリス国教会の牧師(※)は揶揄の対象、クリスティにも登場すると思うが(『牧師館の殺人』とか)あまり印象にない。そんな田舎の牧師が語り手で探偵役の推理小説を読んでみた。地主の城館、元使用人たちの住む家、古い教会(トイレなし)(※※)と牧師館。1988年の話(ルートンがプレミアリーグ優勝)らしいがいまだにこんな状況なのかと驚く。牧師氏は教区民の連続他殺死にもこのど田舎にカナダから来る新婦にもまともな思念なく頼りないことこの上ない。これじゃ才気煥発オースティン嬢に揶揄われるよね。2024/12/24
み
20
登場人物が多めで、ちと苦戦しました。ダニエルさん、母、弟、刑事のニール、ダックスのコズモにヒルダのキャラは好みです。2作目が翻訳されたら読むかな。2025/02/23
練りようかん
15
教会のトイレ設置案が目下の関心事になるくらい長閑な村が舞台。司祭が主人公で祈りや告解以外の知られざる業務の詳細が描かれているのが面白く、前半は刑事と共に、後半は俳優業務の勉強になるからと母のゴリ押しで弟とコンビ行動するのもユニーク。中だるみさせない工夫が良かった。1件目は郷土史と個人の秘密の絡み、2件目は口封じと、いずれにしろ何か見ちゃった系かなと思っていた。しかし時代背景と起点や動機は緊密で孤独の闇を映し出し、浅く見積もっていたことを反省。伏線に気づけなかった嬉しい完敗。巧みなコージーミステリーだった。2024/12/10
一柳すず子
4
村の生活が延々描写され、殺人事件は思わぬ真相に着地する。真面目なダニエルと犬が良い。2024/12/08
taiyou gyousi
3
英国の片田舎で起こった殺人事件。意外なところでトイレ事件と繋がった。そういうことだったのか! 地主や司祭、その他の村人たち。外国の雰囲気がよく薫る。2024/10/18