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出版社内容情報
スミソニアン博物館勤務の鳥類画家ロニはフロリダ州テネキーの実家で「ボイドの死について話したい」というメモをみつける。ロニの父ボイドは25年前に沼地で謎の溺死を遂げていた。ロニは父の死の真相を追うが、背後には湿地に囲まれた田舎町の大きな闇が……
内容説明
スミソニアン博物館に勤める鳥類画家のロニは、認知症を患う母の介護のため、故郷のフロリダに帰ってきた。母の荷物を片づけていると、「ボイドの死についてあなたに話しておかなくてはいけないことがあります」という謎めいたメモを発見。父ボイドは25年前に沼で不審な溺死を遂げ、その名は家では禁句になっていた。かつて観察眼に優れたロニを、アオサギに宿ってすべてを見渡す沼の女王にたとえた父。当時のことを探り始めたロニに思わぬ危険が迫っていた…沼地に隠された悲劇と家族の絆を描く傑作サスペンス。
著者等紹介
ハートマン,ヴァージニア[ハートマン,ヴァージニア] [Hartman,Virginia]
アメリカン大学で美術学修士号を取得、ジョージ・ワシントン大学で創作講座の教鞭を執る。2022年9月に刊行された『アオサギの娘』で小説家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yukaring
60
25年前の父親の死の真相を娘が追うサスペンスストーリー。全体的にミステリ色は薄めでヒューマンドラマ的な要素が大きい。鳥類画家のロニが幼い頃に不可解な事故により沼で溺死した父ボイド。大人になったロニが父の死について書かれた謎めいたメモを見つけ、当時のことを探り始めると脅迫めいた嫌がらせを受けるようになり・・。人間関係が濃い田舎町の閉塞感、特に母と娘のピリピリした関係などはリアルすぎて息苦しくなるほど。沼地の動物や植物などの描写が美しく印象的だった。2023/06/29
Nat
35
図書館本。初めにスミソニアン博物館に勤務する鳥類画家という設定に心惹かれた。そんな職種があるんだ!というのが正直な気持ち。日本の博物館にも存在するのかしら。しなそうだけど。物語は父親の死の謎の解明が中々進まず、後半バタバタと解決する。母親に対する主人公のすっきりしない気持ちがもどかしかった。でも、弟の奥さんのタミーが実は中々良い子だったので、そこは良かった。ワシントンとフロリダの雰囲気の違いなどについても、感じることができた。2025/05/24
星落秋風五丈原
34
みなさんおっしゃられているようにこれもミステリではなく狭い街(ヒロイン故郷)の人間模様ドラマなんですね。なかなかメインの謎たる父の死に話がいってくれない。2023/06/12
アリーマ
21
スミソニアン博物館で鳥類画家として働くロニが、故郷フロリダで認知症の老いた母と対峙しつつ、過去に変死した父の死の真相に向かう。この主人公が情緒不安定で何かと迷走するのだが、全編の半分以上がその狂躁状態描写なのはチョイ胃にもたれた。ラスト三分の一辺りから話が一気に進み始めるが、そこまでがどうも長い。沼や森の描写は美しかったが、鳥類画家の物語なら、もっと鳥の描写があっても良さそうだとも。不安定な主人公と不仲な母親との確執や家族の問題と対峙していく葛藤は興味深く読んだ。ちょっとバランスが悪いかな。★★★⭐︎2023/08/11
スイ
20
主人公ロニがスミソニアン博物館勤務の鳥類画家、という設定に惹かれて。 絵を描く場面はどこも真摯で良かったなぁ。 その道を選んで就くまでのところももっと読みたかった。 それ以外はちょっと長かった…。 犯人も、まあそうでしょうね…というわかりやすい人物なのに、回り道が多くて…。 ロニが嫌いだと思っていた人物の意外な良さは好きだった。2023/08/14