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出版社内容情報
インドが共和国になる寸前の1949年12月31日。外交官のジェームズ卿が殺された。捜査に当たるのはインド初の女性警部ペルシス・ワディア。独立運動の遺恨と共和国化の混沌の只中のムンバイを舞台に、女性警部の活躍を描く英国推理作家協会賞受賞の歴史ミステリ
内容説明
1949年、インドボンベイ。共和国化を目前にした大晦日の夜、パーティーの最中に英国外交官ジェームズ・ヘリオット卿が殺された。犯行現場の金庫は空。さらにジェームズ卿の上着からは暗号めいたメモが見つかった。捜査に当たるのはペルシス・ワディア警部。インド初の女性刑事として警察組織の内外で逆境に立たされながらも、明敏な頭脳と不屈の精神で国家を揺るがす大事件の真実に迫る。独立運動の遺恨と共和国化の混沌の只中にあるボンベイを舞台に、女性警部の活躍を描いた英国推理作家協会賞受賞の歴史ミステリ。
著者等紹介
カーン,ヴァシーム[カーン,ヴァシーム] [Khan,Vaseem]
1973年ロンドン生まれ。2015年にデビューして以来、インドミステリを多数発表している。2021年に本書で英国推理作家協会賞ヒストリカル・ダガー賞を受賞。現在はユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの犯罪科学部門に勤務している
田村義進[タムラヨシノブ]
1950年生、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ナミのママ
65
1949年、イギリスから独立し共和国となる直前のインドボンベイ。英国外交官のジェームズ・ヘリオット卿が殺される。金庫は空っぽ、下半身は裸、暗号めいたメモ。捜査にあたるのは初の女性刑事ペルシス。イギリス人とインド人の関係に加えてイスラム教とヒンドゥー教も絡み複雑な人間関係。時代を上手に取り入れたミステリ。頑張れば足を引っ張られ「初の女性刑事」のレッテルを貼られながら進むペルシスだがあまり好きになれなかったのが残念。【2021年度CWA賞ヒストリカル・ダガー賞】受賞2023/03/08
星落秋風五丈原
39
1949年、共和国化を目前にしたボンベイの大晦日の夜に英国の外交官ジェームズ・ヘリオット卿が殺害された。犯行現場の金庫は空。さらにジェームズ卿の上着からは暗号めいたメモが見つかった。捜査に当たるのは、インド初の女性刑事ペルシス・ワディア警部。『阿片窟の死』『マハラジャの葬列』などアビール・ムカジーのミステリは新生共和国誕生前夜のインドが舞台だった。捜査官二人は独立の気運盛り上がるインドとイギリスの対立を背景に、難しいかじ取りをしながら捜査に挑んだが共和国が成立すると決まってもまだインドはごたごたしていた。2023/02/25
M H
37
インドが舞台、翻訳者が同じなので「カルカッタの殺人」を思い出して比較することしばし。こちらは1949年、ボンベイでパーティー中に発生した殺人事件にインド初の女性刑事ペルシスが挑むという筋書き。共和国化を前にした混乱が活写され、作品の血肉になっている。時代背景を反映してペルシスは何度も挫折しかけて感情的になるが、彼女の勝ち気というか感情的な言動が目立って同じことの繰り返し、単調な印象。ちょっと残念だったけどシリーズが進めば成長するのかも。2023/04/27
ハスゴン
32
ミステリそのものは大した事はないかもしれませんが、当時の空気感がとても良く描かれていて今後のシリーズが楽しみで、翻訳される事を祈っています。2024/03/30
本木英朗
26
英国の現代ミステリ作家のひとりである、ヴァシーム・カーンの長編のひとつである。1949年、インドのボンベイ。共和国化を目前にした大晦日の夜、パーティーの最中に英国外交官ジェームズ・ヘリオット卿が殺された。捜査に当たるのは、ペルシス・ワーディア警部。インド初の女性刑事として、明敏な頭脳と不屈の精神で国家を揺るがす大事件の真相に迫る――という話である。さすがは名警部ペルシス、そして作者である。俺は最後の最後まで分からなかったが、それでもいいよ。大満足でした。他の作品も読みたいなあ。2023/03/19