- ホーム
- > 和書
- > 新書・選書
- > ノベルス
- > ハヤカワポケットミステリー
出版社内容情報
他人の強い思いをビジョンとして視ることのできる少女クララは、ある日を境に若い女たちが傷つけられる不吉なビジョンを頻繁に視るようになる。カジノのスパ施設で働くリリーの協力を得て彼女たちを救おうとするが……。エドガー賞受賞のサスペンス。
内容説明
ニュージャージー州アトランティックシティ。叔母のデズとともに暮らす少女クララは、他人の強い思いをビジョンとして視ることができる能力を持っていた。その力を使った占いで生計を立てていた彼女は、ある日行方不明になった少女を捜し出してほしいという依頼を受ける。その日を境に、女性たちが傷つけられる不吉なビジョンを頻繁に視るようになったクララは、カジノホテルのスパ施設で働くリリーの協力を得て彼女たちを救おうとする。だが犯人の魔の手はクララたちにもおよび…エドガー賞最優秀新人賞受賞作。
著者等紹介
マレン,ケイトリン[マレン,ケイトリン] [Mullen,Caitlin]
プリンストン在住の作家。大学卒業後、編集者や書店員として働いたのちに2020年に『塩の湿地に消えゆく前に』で作家デビュー。同書は2021年、アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀新人賞を受賞した
国弘喜美代[クニヒロキミヨ]
大阪外国語大学外国語学部卒。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
- 評価
-
ミスランディア本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のぶ
88
アメリカでは新人賞を受賞したようだが、あまり面白く感じなかった。舞台はアトランティックシティー。かつてはカジノの街として栄えたが、今は衰退してしまっている。そんな所に暮らすクララと、カジノホテルのスパで働くニューヨーク出身のリリーの二人を中心に物語は展開する。クララは他人の強い思いをビジョンとして視る事ができる能力を持っていた。それらの人たちの視点から描かれているが、話の流れがどうにも読み難い。二人の主人公の行動も、今一つ分かり辛くサスペンスが盛り上がらなかった。自分に合っていなかっただけなのだろうか?2022/05/03
ナミのママ
55
辛口。エドガー賞最優秀新人賞受賞作。“湿地に並んだ女性の遺体“から始まったが、思ったようなミステリじゃなかった。短い区切りで登場人物による視点が変わるわりに展開が遅く、何度か途中断念しようかと思った。それでも犯人が知りたくて読み続けたが…。暗い街の様子と救いようがない(としか思えない)娼婦たち。私にはストーリーの奥にあるものが読みとれず、ただただ退屈な“連続殺人"だった。2022/01/22
白玉あずき
51
ミステリというジャンル、分類の豊かさというか緩さが嬉しいエドガー賞新人賞受賞作。貧困に追い詰められる女たちの実相が身に沁みて苦しい。ヤクと売りに落ちていくとはこういう事なんだと実感した。和歌山のIR計画が否決されたところでもあり、地域経済労働倫理等、色々思う所は多い。エミリーの学資ローンの残高からも「普通に」生きていく事が如何に困難な事業になったのかが、社会批判として良くわかる。決して面白いとは言えないけれど、最後まで読まずにはいられない。死体となった彼女らの独白が効果的。2022/04/24
ぽてち
38
ニュージャージー州アトランティックシティを舞台にしたシリアル・キラーもの。とは言え、そもそも被害者たちは発見されておらず、誰もこの事件に気づいていない。ただ一人、占い師のクララを除いては。彼女は他者の思いをビジョンとして受け取るサイキックで、この能力を基に話は進む。主な語り手はクララと、夢破れて失意の中この街に戻ってきたリリーだ。犯人探しを目的にすると拍子抜けする(そもそもそこに力点はない)が、衰亡した都市に漂う無力感、そこに集う疲弊した人々の姿で読ませる。2021年エドガー賞最優秀新人賞受賞作。2022/02/05
うまる
35
すっごく下らなくて得る物が何もないのに2段組400ページもあり、通読が大変な苦行でした。受賞作なので、そのうち面白くなるはずと思いましたが、気付けば解説のページorz サイコメトリー系の能力も全然活かされてないです。一体どこが評価されたの。エロと暴力と赤裸々な女性の話が入っていれば文学的なミステリだとでもいうのでしょうか。弱者って言ったって、作中の女性達はどうしてもそういう環境に身を置かなければならなかった訳ではないから、あんたらバカぁ?としか思えんわ。挙句の果てに事件が解決しないミステリ。そんなんあり?2022/04/26