HAYAKAWA POCKET MYSTERY BOOKS<br> 帰らざる故郷

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HAYAKAWA POCKET MYSTERY BOOKS
帰らざる故郷

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  • サイズ 新書判/ページ数 512p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784150019679
  • NDC分類 933
  • Cコード C0297

出版社内容情報

1972年、アメリカ。ベトナム戦争中に海兵隊を不名誉除隊させられ刑務所にいた兄と、数年ぶりに再会した弟。しかし、町で起こるある惨殺事件が、彼らを引き離す――戦争が人々の心に残した傷跡、そして兄弟の絆を描くクライム・フィクション。解説/吉野仁

内容説明

1972年。戦地から帰還し刑務所にいた兄と、数年ぶりに再会した弟。しかし、ある事件が二人を引き離す―ヴェトナム戦争時のアメリカを舞台に壊れゆく家族の姿を描く、巨匠最新作。

著者等紹介

東野さやか[ヒガシノサヤカ]
上智大学外国語学部英語学科卒。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

のぶ

98
著者のジョン・ハートは好きな作家だが、本作もとても良かった。時代はベトナム戦争時のアメリカ。海兵隊を不名誉除隊させられ刑務所にいた、ジェイソンという男を中心に物語は展開する。ジェイソンは3人兄弟だが、双子の兄を戦争で失い、弟が一人いる。そして父は刑事。出所し数年ぶりに弟と再会したが、そこにジェイソンに女性を殺害した容疑がかかる。何があったのか?弟は真実を明らかにするべく奔走する。何故こんな事態になってしまったのか。戦争の傷が全編を覆いつくした家族崩壊の話だが、何とも言えない余韻を感じた作品だった。2021/05/11

Willie the Wildcat

79
生きる目的を模索。誤解と混乱が交錯する中、残された微かな複数の絆が辿る過程と、積み上げる信頼。(Xが犯した罪とその残忍さは否定しないが)ジェイソンを通して、”光”を見出そうとするXの心底に垣間見る苦悩が印象的。”ダイブ”が、もれなく試金石。運試しの要素は少なからずあるが、祈りであり、道標であり、そして願掛けの場でもある気がする。踏まえて本著の難題が、最後の場面のチャンスのダイブ。ダイブの結果を読者に考えさせるのなら、飛び込むのはギビーだったんじゃないかな。この点は、著者の主旨を読み取れなかった。2021/10/14

オーウェン

55
久々のジョン・ハートの新作。ベトナム戦争で疑いをもたれて刑務所に入っていたジェイソンが出所。弟のギビーは喜ぶと同時に引っ掛かりを覚える。それはジェイソンの恋人が惨殺されたからであり、信じないギビーは兄の知人を訪ねていく。兄弟間でもあり家族間のドラマ。疑いがあるからこそ殺人を犯したという名目に真実味が。そこを埋めるのがベトナム戦争中の行動理由。 そして刑務所にいるXのパートもかなりページが割かれており、私刑間近なのに強烈な存在感に圧倒させられる。 ラストのある人物にとって冷や汗が出るような結末も好み。2021/06/25

しゃお

42
ベトナム戦争帰り、ドラッグにハマりレブンワース刑務所に収監されたジェイソンが帰郷するも、ある事件により再びレブンワース刑務所に収監される事に。ジェイソンを信じれない父母に反抗するように弟のギビーは兄の無実を信じて行動に出ます。著者らしい家族の物語に加え、少年が殻を破り成長する姿と、戦争が落とした陰、貧困や差別といった現実を描くかれるのですが、「X]というレクター博士のような存在でエンタメ性を高めつつ、全てを描かない事で安易なものとして落とし込みません。果たして少年は崖から飛び降りる事ができたのでしょうか。2021/07/17

わたなべよしお

30
 ジョン・ハートの久しぶりの新作、ということで期待したんだけど。う~ん、悪くはないのだけれど、話の運び方というか、一家の人々にもあまり共感できなかったし、ということでイマイチでした。初期の「アイアンハート」とか「ラスト・チャイルド」とかは素晴らしく大好きだった。その後、パッとしなかったけど、数年前の「終わりなき道」はなかなかで、今回も期待していたんだけどなぁ。2021/06/01

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