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出版社内容情報
19世紀英国。作家兼医者のコナン・ドイルは〈名探偵シャーロック・ホームズ〉シリーズ第1作『緋色の研究』が思ったように売れず落ち込んでいた。そこにホームズのモデルにしたベル博士が、巷を騒がす連続殺人鬼の事件を一緒に調査しないかと誘ってきて……
内容説明
1888年ロンドン。『緋色の研究』を発表したばかりの若き医師コナン・ドイルは、前首相から、巷を賑わす連続殺人事件を、シャーロック・ホームズの推理法を用いて解決に導いてほしいと依頼された。ドイルは、ホームズのモデルでもある恩師ベル博士と、現場の下町に詳しい男装の女流作家マーガレット・ハークネスの協力を得て、のちに切り裂きジャックと呼ばれる殺人鬼との知恵比べに挑む。貧しい労働者階級の街イーストエンドで三人が見いだす恐るべき真相とは?長年軍医を務めた著者のデビューを飾る痛快冒険推理。
著者等紹介
ハーパー,ブラッドリー[ハーパー,ブラッドリー] [Harper,Bradley]
元米陸軍大佐の病理学者にして『シャーロック・ホームズ』シリーズの長年の愛好家。2018年に『探偵コナン・ドイル』でデビューし、同書でアメリカ探偵作家クラブ賞最優秀賞人賞にノミネートされ、さらにキラー・ナッシュヴィル主催シルヴァー・ファルシオン賞最優秀ミステリ賞を受賞した
府川由美恵[フカワユミエ]
1966年生、1997年明星大学通信教育部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
sin
74
実在の有名人を歴史上の事件に絡める作品は数多くあって、但しその多くがその人物の看板に寄りかかったものになりがちだが、ここに登場するドイルはひと味違うようだ。初のホームズ作品『緋色の研究』から二作目『四つの署名』の間に位置する“切り裂きジャック”の連続殺人事件にドイル自身が控えめな探偵として、ホームズのモデルである嘗ての恩師と、時代を先取りした自立した女性とのトリオで挑む!外連味のない落ち着いた筆遣いは世紀の未解決事件をその真相まで説得力を持って解き明かす!2020/03/18
榊原 香織
71
ビクトリア朝の闇、切り裂きジャックに挑戦するのは、コナン・ドイル、ベル博士(シャーロック・ホームズのモデル)、マーガレット・ハークネス(下層社会を描いた女流作家) 実在の人物、事件をうまく組合わせて物語が進みます。2022/05/09
mocha
69
シャーロック・ホームズ第一作を発表したばかりのコナン・ドイルの元に、切り裂きジャック事件の相談役になってほしいという依頼が舞い込む。ホームズのモデルとされるベル博士の観察眼、男装の女流作家マーガレット・ハークネスの行動力に支えられ、ドクター・ドイルはどちらかといえばワトソン役。事件も捜査状況も史実を踏まえたものなので遅々として進まない感はあるが、終盤の展開には驚いた。19世紀ロンドンの下町の、猥雑で不穏な空気を肌で感じるようだった。2022/10/10
星落秋風五丈原
45
推理小説書いてるからって推理してくれって無茶ぶりだよなと思いつつ、同時代なので必ず絡ませたかったでしょうね切り裂きジャック事件。タイトルではこうなってるけど本当はドイルはワトソン的役回り。2020/12/13
しゃお
37
名探偵ホームズの生みの親コナン・ドイルが切り裂きジャック事件に挑む。相棒というか三銃士となるのはホームズのモデルとなったベル博士と女流作家のマーガレット・ハークネス。どちらも実在した人物で史実を織り交ぜながら、その時代のロンドンの様子や人々の意識といったものが目に浮かぶように描かれているのが印象的。語り手となるドイルはワトソンそのものですが、今回の冒険を通じてホームズのような洞察力を得ていく様子も描かれます。もう少しドラマチックな推理劇が見れたら良かったとも思いますが、三銃士達の友情を何より楽しかったです2020/06/06