- ホーム
- > 和書
- > 新書・選書
- > ノベルス
- > ハヤカワポケットミステリー
出版社内容情報
身に覚えのない罪を着せられて、ニューヨーク市警を馘になった刑事。十年後、私立探偵となった彼は、かつての自分と同じように冤罪で苦しむジャーナリストの事件を引き受ける。一方、自身の事件についても新たな事実が浮上し……エドガー賞受賞の傑作ミステリ
内容説明
身に覚えのない罪を着せられてニューヨーク市警を追われたジョー・オリヴァー。十数年後、私立探偵となった彼は、警察官を射殺した罪で死刑を宣告された黒人ジャーナリストの無実を証明してほしいと依頼される。時を同じくして、彼自身の冤罪について、真相を告白する手紙が届いた。ふたつの事件を調べはじめたオリヴァーは、奇矯な元凶悪犯メルカルトを相棒としてニューヨークの暗部へとわけいっていくが。心身ともに傷を負った彼は、正義をもって闘いつづける―。アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞受賞作。
著者等紹介
モズリイ,ウォルター[モズリイ,ウォルター] [Mosley,Walter]
1952年カリフォルニア生まれ。デビュー長篇『ブルー・ドレスの女』でシェイマス賞、英国推理作家協会賞を受賞。2016年にアメリカ探偵作家クラブ賞巨匠賞を受賞
田村義進[タムラヨシノブ]
1950年生、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のぶ
104
良く出来たハードボイルド小説だった。主人公はジョー・オリヴァー。現在は私立探偵をしているが、元は身に覚えのない罪を着せられて、ニューヨーク市警を馘になった刑事。ある時、警察官を射殺した罪で死刑判決を受けた、黒人ジャーナリストの冤罪を晴らしてほしいと依頼を受ける。自分と同じような境遇に共感したジョーは調査を開始する。依頼の仕事と合わせて自分の潔白も晴らすべく、正義をもって闘いつづける。それ程長くはないが、ハードボイルドらしい締まった文章で、真相を追う姿に心を打つ。読後の余韻に浸っていたい作品だった。2020/02/20
ずっきん
96
嵌められ、レイプ犯として警察を追われたあげく10年やさぐれている私立探偵が、警官殺しで死刑判決を受けた人権活動家のための調査を引き受ける。失われた名誉を取り戻すことはできるのか。物語は抑揚なくずっしりと重く進んでいく。脳内BGMはずっとセロニアス・モンクな渋さ。この空気が超好み。なんてったって主人公のヘタレ中年ジョーが徐々に息を吹き返し、変貌していく姿がたまらん。ジワジワくる。うーん、なんでだろう。この良さを上手く言葉にできないな。とにかくものすごく好きだ。登場人物が多いので一気読み推奨。2020/01/12
キムチ
88
ほぼ翻訳もの中心の読書でも、登場人物の多彩ぶりに辟易し、何とも疲れてしまった。とは言うものの、さすが米 正当ノワールの逸品。面白さ 抜群のお薦めモノ。内容はよくある?社会悪、それも正義を守るとは名ばかりの形骸と化しつつある警察。濡れ衣を課せられたことから10数年うだつが上がらぬ中年と化した黒人私立探偵。孤軍奮闘の闘いは背後に犯罪人やらメガトン級売春婦など援護も多彩。この5月、ミネソタで起こったフロイド氏の「警察官による殺人」が記憶に新しい事もあり、読み終えても不消化な部分が多く、もやもや感立ち込めた読後2020/10/26
アキ
83
ノワール小説を堪能した。ジョー・キング・オリバーは元警官。性犯罪の濡れ衣で服役し、消されるところを保釈された。妻とも別れ、何より大切な娘エイジアを助手にして私立探偵をしている。エーカーズ下院議員のスキャンダルを調査している際に元妻とその夫が関わっていることがわかる。そこへウイラ・ポートマンという新人弁護士が死刑囚A・フリー・マンの犯した殺人事件を調べてほしいと依頼がある。自分を陥れた黒幕とマンの事件を探っていく内、警察の闇が見えてくる。NYの裏社会とクセのある登場人物とのやり取りがクール。よくできた小説。2020/01/13
seacalf
79
大好物。相性の良い上質な探偵小説は、まるで肌に染み込んでいくようで、頁をめくる度に多幸感に酔いしれる。とはいえ、若干詰め込み過ぎ。海外小説慣れしている自分ですら登場人物の多さに混乱。味のあるキャラがとても多いのは嬉しいことだけど。家族を裏切る不倫行為をしておきながら被害者面して鬱屈しているのは虫が良過ぎるし、何もかも上首尾に行き過ぎている感が否めない。と、色々けちをつけたけど極上なノワール小説には違いない。今回の相棒メルも悪くないが、マイロンシリーズのウィンを思いだし、優雅な彼の活躍をまた読みたくなった。2020/01/24
-
- 和書
- Wolfen