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出版社内容情報
ハーバード中退、ドストエフスキーの愛読者、そして元陸軍軍人のジョー・ブロディーは、ストリップクラブの凄腕用心棒だ。FBIによるテロリスト取り締まりのとばっちりに業を煮やしたニューヨーク暗黒街の顔役たちは、ジョーにテロリスト追跡を命じるが……
デイヴィッド・ゴードン[ゴードン デイヴィッド]
著・文・その他
青木 千鶴[アオキ チヅル]
翻訳
内容説明
ジョー・ブロディーは異色の用心棒―ハーバード中退、元陸軍特殊部隊、愛読書はドストエフスキー。心優しいジョーだが、凄腕のその評判に偽りはない。ある晩、彼が勤務するストリップ・クラブをFBIが急襲する。理由も告げられずに逮捕されたジョーは、NYの名だたるならず者で溢れかえる留置場へ。一斉手入れがあったのだ。捜査機関はいったい誰を捜していたのか?ジョーはそこで再会した中国系マフィアから、あるヤマに誘われるが…。ミステリ・ランキング三冠『二流小説家』著者の新境地。
著者等紹介
ゴードン,デイヴィッド[ゴードン,デイヴィッド] [Gordon,David]
小説家。1967年生まれ。ニューヨーク市クイーンズ出身
青木千鶴[アオキチズル]
白百合女子大学文学部卒。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 3件/全3件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紅はこべ
162
主人公達に恨みを残した人物が逃亡して終わったので、これはシリーズ化だなと思ったら、解説で続編ありと判明。これからジョーの戦場での経験も明らかになるのだろう。彼がエレーナとドナとどちらを選ぶかとかも。ドラマだと、FBIで女性は大活躍だが、小説だと、男社会で鬱屈しているケースが多い。小説の方が現実に即しているのかな。腕の立つ者を集め、念入りに計画を練っても、失敗するって、最近のクライムサスペンスによくあるパターン。本作の名言。「男というのは、女にものを尋ねるということをめったにしない生き物なのだ」2019/03/16
Panzer Leader
99
主人公のスペックが随分盛ってあって心優しき腕利きにもかかわらず、何故か印象が薄い。最後に犯罪組織のトラブルシューターとなるも、そんな役割が彼の望みだったのかと疑問に思う。あと悪役陣は武装強盗のプロの割にはお粗末な結果しか残せなかったり、凶悪テロリストなのに頼んだ料理が違っていただけで配達人を惨殺するなど、ちょっとチープ感が漂う。でも周りを彩る脇役たちが魅力的なんで評価は次作以降まで持越し。お気に入りのキャラはポールダンスも出来る金庫破りのロシア美女エレーナ。2019/03/19
のぶ
95
タイトルから想像した内容とは随分かけ離れた物語だった。主人公、ジョーブロディーはストリップクラブに勤務する用心棒。ある日、クラブがFBIの手入れを受ける。理由も告げられずに逮捕されたジョーは、留置所へ入れられる。そこで再会した中国系マフィアから、ある仕事を持ちかけられる。ジョーはその誘いに乗り実行する。その後も悪の連鎖で犯罪を繰り返す。この作品はジョーの生き方を描いたもので、組織的な話ではない。ジョー自身はドストエフスキーを愛読し、性格は優しい人物。廻りに翻弄される姿が物悲しく感じた。2018/11/25
harass
83
読メで題名を見たことあるぐらいで、図書館にあったので借りる。「二流小説家」の人だったか。予想外の展開に驚きつつどういうふうに展開するのかが気になり一気読み。まごうことなき娯楽作品。今の時代に計画犯罪モノかよと。ちょっと物足りなさがあったが、ベタな部分に、まあこういうものだと、読書のリハビリにと納得させながら楽しむ。続巻がでているようだ。そっちのほうが評判がいいのかも。2022/02/06
Willie the Wildcat
75
主人公の陰を構成する様々な痛み。周囲の信頼となる不変の義。漂う義への応え方の両極を、ヒトとコトの両面で描写する過程。様々な対立軸も、大義の下で収束する感。PTSDからの回復過程を体現するかのような主人公。本来の人間性などを垣間見せる瞬間に交錯する主人公から滲む温かみと痛みが印象的。”焼印”が、その象徴という感。テロリストとの対峙なども、派手さがない点が意外ではあったが、一方で現実的でもある。2019/08/16