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出版社内容情報
検挙率の上がらないQには周囲から厳しい目が注がれていた。特捜部Qに閉鎖の危機が!デンマークの大人気警察小説シリーズ第7弾。
内容説明
コペンハーゲン警察の特捜部Q。未解決事件を専門に扱う部署である。部の解体が囁かれるなか、ローセの不調も続き、チームの士気は下降中だ。ある日、元殺人捜査課課長からQに電話が入る。最近発生した老女撲殺事件が、未解決の女性教師殺人事件に酷似しているとの情報だった。元上司の懇願に、カールらQの面々は重い腰を上げる。折しも失業中の若い女性を狙った連続轢き逃げ事件で別部署は大わらわ。その隙に新旧双方の事件の捜査を勝手に始めたものの、カールの刑事歴でもかつてない事態に…。好評シリーズ第七弾。
著者等紹介
エーズラ・オールスン,ユッシ[エーズラオールスン,ユッシ] [Adler‐Olsen,Jussi]
1950年、コペンハーゲン生まれ。ミステリ作家。北欧、ヨーロッパで絶大な人気を誇る。『特捜部Q』シリーズで北欧最高峰の「ガラスの鍵」賞を受賞している
吉田奈保子[ヨシダナホコ]
1974年生、立教大学文学部ドイツ文学科卒、ドイツ文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
147
作者は、助け出すべき女性をギリギリのところまで苦しめのは何故だろう。シリーズ第一作『檻の中の女』しかり。そこでそうしてないで早くあちらへ向かってはくれぬか!と何度も心で訴えながら、焦燥感とともにページをめくる。そして、「元気であるのに働く気のない若い女性達が生活保護費をもらおうとすること」についての問題提起。福祉大国ならではの側面もあるだろうが、制度の悪用はどこにでもいつの時代でもある。しかし、だからといって、ころされていいわけではない。2018/06/06
藤月はな(灯れ松明の火)
110
前巻を読んでいなかったのですが、それでも大丈夫な特捜部Qシリーズの面白さ。ローセのトラウマの壮絶さに絶句するしかない。子供を言葉で心をすり潰し、精神的なサンドバックにする事は断固として許さないし、罰を与えたとしても足る事はない。だけど、勇気になる筈だった事が逆に新たなトラウマになるなんてあんまり過ぎるよ・・・。ローセの過去を知っても罵らず、心に寄り添おうとするゴードンは良い男だ。そんな中で癒しはやっぱり、アサド。糖分が足りずに一定時間が切れるとバタンキューしちゃう姿が可愛すぎてホッコリします^^2018/04/24
星落秋風五丈原
109
暗い過去を引きずっていたのはカールだけではなかった!ああややこしいチーム!とはいってもアサドはどう考えても口を割りそうにないし、一番脆いロ―サが壊れるのは順番なのかも。とはいえカールは随分頑張っている。事件担当だけでも手に余るのに、ロ―サの心の闇を説き明かそうと奔走する姿は読者に見直されるのでは。本作の特徴として、冒頭に事件と関係のある人物の過去が描かれ、物語の進行に伴って全ての糸がほぐれてゆく展開が挙げられる。今回も同様だが邦題の「自撮り」は実はそれほどキ―タームではない。 2018/02/10
ゆいまある
98
こういうのが読みたかった!と思うぐらい出だしは素晴らしい。生活保護を不正受給し続ける3人の若い女性。それを憎み殺意を抱く職員。その事件を軸として5つの事件が同時進行で絡まり合う。前作で蓋が開いたローセのトラウマ。父から受けていた虐待(こういうタイプは行政が介入しにくい)。彼女がASDであることを鑑みるとDID発病は矛盾がない。ここまで面白いのに後半に入ると、3人の女性もそれを追う犯人どちらも魅力が失せ、ローセの事件も今ひとつ解りにくく、テレビ局もゴードンも活かせてない。前作よりは面白いが、続編に期待。2022/02/12
のぶ
97
このシリーズが始まってすでに10年になるらしいが、どれもレベルが安定していて、本作も楽しめた。冒頭から特捜部Qの解体が噂されカールもドタバタしている。未解決の事件が溜まる中、次から次へと事件が舞い込んでくる。前半では失業中の女性が物語のカギを握るのか?と言う描写があったが、その後話は事件が舞い込む都度多岐に渡ってくる。特捜部Qのメンバーの不調も相まって、先の読めない展開に目が離せなかったが、最後はいろいろあった物語をきれいに収束させた手法は見事。2018/04/27