ハヤカワ・ポケット・ミステリ
ザ・ドロップ

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  • サイズ 新書判/ページ数 192p
  • 商品コード 9784150018931
  • Cコード C0297

内容説明

バーテンダーのボブがその子犬を拾ったのはクリスマスの二日後のことだった。仕事からの帰り道、たまたま通りかかった歩道の横のゴミ容器から、弱々しい泣き声が聞こえたのだ。子犬を抱き上げ、近くのアパートからナディアが姿を見せた時、孤独な負け犬だったボブの人生は変わった。殻から抜け出し、人生に希望が見えたのだ。だが、組織が所有する彼の勤め先のバーに強盗が押し入ったことから彼にも火の粉が降りかかってきた…ボストンの裏町に生きる人々の姿を巨匠がムード充分に描き、映画化された傑作ドラマ。

著者等紹介

ルヘイン,デニス[ルヘイン,デニス] [Lehane,Dennis]
アメリカ、マサチューセッツ州生まれ。1994年に作家デビュー。2013年には『夜に生きる』でアメリカ探偵作家クラブ賞(エドガー賞)の最優秀長篇賞を受賞

加賀山卓朗[カガヤマタクロウ]
1962年生、東京大学法学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

85
「あいつは俺の犬を殴った」。映画『ジョン・ウィック』では亡き妻から贈られた仔犬を惨殺された元殺し屋がロシアン・マフィアを資金源も含めて根絶やしにするが、この物語は負け犬と自覚していたバーテンダー、ボブが最愛の女性と生きる希望を与えてくれた仔犬を守るために凍傷のような暴力性を解放する。従兄弟の手助けのため、裏社会に片足を突っ込んでいるボブだけじゃなくてアウトロー達や刑事の心のあり方を決定づけた過去や心情も濃やかに描いている。一線を超えてしまったボブと邂逅した刑事の絶望は『血と暴力の国』のベルのようだ。2016/05/27

sin

76
表現はおかしいかもしれないが大人の犯罪小説である。短いけれどこの小説の中には人生がある。その一人の男の人生が多くの人々の想いと重なって感じ取れる。主人公は憂いを感じている「世の中は礼節というものを忘れてしまっている。」と…まあ日本に置き換えるなら仁義ととられそうだが、神の御許における慎ましやかさ…と解釈するのが正しいのだろう。動物に瀕死の重傷を負わせるやつ(つまり人間として壊れてしまっているやつ)と、犯罪を日常とする生き方を選ばざるを得ない事とは違う。生き方の問題を解決するために行動する“バン!”2015/10/18

ゆのん

65
映画化された作品の多い作家で、本作も映画化された。日曜日には教会に通い、バーテンダーの仕事は遅刻する事もなく真面目に働き、老女のツケを肩代わりするような優しい一面も持つボブ。変わらない毎日がある日を境に急に変化する。強盗に出くわし死にかけた子犬を拾い女性と出会う。ボストンの裏町に生きる人々を描いているが、派手さは無く、静かな中銃声が響く感じが良かった。2018/10/31

NAO

64
ボストンの下町の、ギャングが闇賭博で儲けた金を警察に没収されないように一夜だけ預ける中継所(ドロップ)のバー。そこに強盗が入り掛け金が盗まれてからの数日が描かれている。犬を拾ったことで人生に希望を感じ始めたボブとは対照的な共同経営者、犬の元の持ち主だと執拗にボブに絡む前科者、盗まれた金を取り戻せと威嚇するギャング。癖の強い悪党たちのただ中にあって、内気で陰のあるボブの存在が異彩を放っている。毎週教会に通うクリスチャンでありながら、ボブには強い屈託があり、その謎が明かされるラスト近くの言動には衝撃を受ける。2022/11/20

starbro

48
デニス・ルヘイン初読みです。街の雰囲気や登場人物の設定等、魅力はありますが、やはりノベライズの限界でしょうか?映画の方が良いような気がします。2015/04/25

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