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出版社内容情報
〈「ガラスの鍵」賞/マルティン・ベック賞/ゴールデン・リボルバー賞受賞作〉過去の事件での何者かによる証拠捏造が発覚。停職処分を受けた警部は記者の娘と真相を追う。ノルウェーの警察小説
内容説明
17年前の誘拐殺人事件で容疑者有罪の決め手となった証拠は偽造されていた。捜査を指揮した刑事ヴィスティングは責任を問われて停職処分を受ける。自分の知らないところで何が行なわれたのか?そして真犯人は誰なのか?世間から白眼視されるなか、新聞記者の娘リーネに助けられながら、ヴィスティングはひとり真相を追う。しかしそのとき、新たな事件が起きていた…。北欧ミステリの最高峰「ガラスの鍵」賞をはじめ、マルティン・ベック賞、ゴールデン・リボルバー賞の三冠に輝いたノルウェーの傑作警察小説。
著者等紹介
ホルスト,ヨルン・リーエル[ホルスト,ヨルンリーエル] [Horst,Jorn Lier]
1970年、ノルウェー生まれ。警察官として勤務しながら、2004年に作家デビュー。『猟犬』で「ガラスの鍵」賞などの有名ミステリ賞を受賞。ノルウェーで高く評価される人気作家である
猪股和夫[イノマタカズオ]
1954年生、静岡大学人文学部卒、独文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
119
ヴィステイングの邦訳第一号はこれだよね。出版社も翻訳家も違う。ハヤカワは、よい作品を見つけてくるのに、続かないのかな。出版業界事情が気になる。とにかく、元警官ホルストによるヴィスティング作品は数ベージ読むと、もう最後までやめられないね。読んだのはこれで2作目だが、過去の女性失踪事件について反芻し、派手なアクションは交えず、それでもスリリングな展開にすっかりファンになった。性犯罪の容疑者に対する分析も興味深い。マルティンベック賞など複数のミステリのための大賞受賞作。2023/07/11
buchipanda3
107
ノルウェー発の警察ミステリ、ヴィスティング警部シリーズ長編。本作は8作目とのことだが、邦訳はこれが最初。後発の作品を読み、お気に入りのシリーズとなったので、その原点をと思って手に取った。今作でも警部の魅力である泰然とした安定感のある姿を存分に見せてくれる。特に今回は不正捜査の嫌疑がかけられてピンチに。それでも責任逃れを一切せず信念のある行動を貫く。手段は少々危なっかしいが。そして新聞記者である娘のリーネとの互いを認め合う距離感が大人な感じ。様々な疑心が蠢く中、両者が持ち味を活かして並走しながら核心へ迫る。2022/03/06
遥かなる想い
105
ノルウェー作家による北欧ミステリーである。 17年前のセシリア事件の証拠は捏造だったという理由で 停職になった ヴィスティング警部と その娘リーネのコンビが真犯人を追う。静のヴィスティング警部と 動のリーネの小気味いい連携が 物語にリズムを与える。失踪事件の不気味さと 北欧の霧深い雰囲気が程よくマッチした 物語だった。2023/07/25
猿吉君
85
主人公を中心に丹念に情景や思いを書いていてよく判る反面ちょっとダレるなと思いつつ後半一気に解決に持っていくところがお見事。①単独で読めるんですが過去作品との繋がりがあるので娘と彼氏との関係とか不明なところがあります。②物語が進んでいくと手掛かりが出てくるタイプです。③こんな親子になるのが理想だなあ、なんでも言い合える素晴らしい関係です。④逆に別れを告げられちゃう同居人との関係は物悲しい。⑤職業に誇りを持っているヴィスティングが渋い。点数75/100→北欧の街並みや風景と共にじっくり読ませる警察小説でした。2020/10/06
Panzer Leader
81
「第154回海外作品読書会」17年前の誘拐殺人事件の有罪の決め手となった証拠の捏造の責任を取って停職処分をくらった初老の警部。新聞記者の娘はある殺人事件の取材を依頼される。この二人を描きながら物語は進行していく。娘は行動派の上抜群の洞察力で真相に迫っていく一方、父親は当時の捜査資料を持ち出して(いいのか?)過去を振り返りながら一つ一つ再検証していく。この警部酷い処分を受けながらも悪態一つつかず粛々と事件の掘り起こしに邁進する姿勢は見習いたいほど。派手派手しい展開はないけれど読み応えのある逸品。2020/04/11