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出版社内容情報
小さい息子を誘拐され殺された過去を持つ新聞記者ジョージは、あるきっかけから、二十年前に起きた詩人キャサリン・カーの失踪事件に興味を持つが……。巨匠クックが繊細に紡ぎあげる贖罪の物語
内容説明
ジョージ・ゲイツはかつては失踪事件が起きた場所を訪ね歩く旅行作家だった。七年前に八歳の息子が何者かに殺されてからは、地方新聞社の記者として働いている。ある日、彼は二十年前に謎めいた小説を残して失踪した詩人キャサリン・カーについての話を聞く。ふとしたきっかけで、彼は早老症の少女アリスとともに、その小説を手がかりとして詩人の行方を追うことになる。だが、徐々に詩人の運命が彼自身の人生と奇妙につながっているように感じられてきて…。世界が絶賛する巨匠が繊細に紡ぐ苦悩と再生の物語。
著者等紹介
クック,トマス・H.[クック,トマスH.][Cook,Thomas H.]
1947年にアラバマ州に生まれる。『緋色の記憶』でアメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞を受賞。マルティン・ベック賞受賞作『緋色の迷宮』など、数々の名作を著している世界的作家である
駒月雅子[コマツキマサコ]
1962年生、慶應義塾大学文学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひめ
34
あの時、迎えに行っていれば・・・。ジョージ・ゲイツは救われたのだろうか。ゲイツとアリスのやり取りが、この本の中での救いであった。いろいろな物語が混ざり合って、読むのに時間がかかったけれど、私はこの物語に「悪は滅びる」という希望をみたような気がする。2015/05/22
本木英朗
31
現代アメリカの本格ミステリ作家のひとりであるトマス・H・クックの24作目の長編である。ジョージ・ゲイツはかつては失踪事件が起きた場所を訪ね歩く旅行作家だったが、7年前に8歳の息子が何者かによって殺されてからは、地方新聞社の記者として働いている。ある日、彼は20年前に謎めいた小説を残して失踪した詩人キャサリン・カーについての話を聞く。ふとしたきっかけで、彼は早老症の少女アリスとともに、その小説を手がかりに詩人の行方を追うことに……という話だ。いやいや、そうだったのか! さすがクック先生である。(→)2021/03/01
panam1927
23
★★☆☆☆2017/07/10
りつこ
21
面白かった!ジョナサンキャロル風味のクックという印象。ミステリーとして読むと、ざけんなごらぁ!という気持ちになるかもしれないが、私は好きだった。息子を殺された記者が早老症の少女アリスとともに、謎めいた小説を残して消えた詩人キャサリン・カーの行方を追う。悪意や絶望を山ほど目の前に差し出しながら、ほんの少しの希望、救いを暗示するような物語。素晴らしかった。2013/04/16
アルラ
16
この本の感想はどうやって書いたらいいのだろう…。前作「ローラ・フェイとの最後の会話」よりさらに難解かも。卑劣な犯罪で愛する家族を失った主人公は癒えることのない苦しみを抱きながら、難病に侵された少女アリスと共に失踪した作家キャサリン・カーの残した作品を読み解いていく。途中彼が世界中を旅した記憶も時々はさまれたり、幻想的なできごともあり複雑な構造になっている。わたしの力不足なのだが最後の一行でまた冒頭に戻りしばらくは考え込んでしまった。割り切れるミステリと異なるが、遠くにうっすら光りを感じる読後感だった。2013/08/16
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