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出版社内容情報
一六二四年ドイツ。産婆が子供殺しの魔女として捕らえられた。処刑吏クィズルとその利発な娘マクダレーナらは、ひそかに事件の真相を探りはじめるが……全米興奮のベストセラー歴史ミステリ大作
内容説明
一六五九年。ドイツ南部の街ショーンガウで子供が殺された。遺体にあった奇妙なマークを見た住人たちは、魔女の仕業だと殺気立つ。そして産婆のマルタが魔女と疑われて投獄される。だが、処刑吏クィズルとその利発な娘マクダレーナは、彼女の無実を確信していた。マクダレーナに恋する医者ジーモンとともに、二人は事件の真相を探りはじめる。しかし、そこに第二の殺人が起きる。街の有力者たちがマルタの処刑を求めるなかクィズルらは真犯人を突き止めることができるのか?ドイツ発のベストセラー歴史ミステリ。
著者等紹介
ペチュ,オリヴァー[ペチュ,オリヴァー][P¨otzsch,Oliver]
1970年、ミュンヘン生まれ。放送作家等を経て2008年に『首斬り人の娘』で作家デビュー
猪股和夫[イノマタカズオ]
1954年生、静岡大学卒業後、「小学館独和大辞典」の編纂業務に従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sin
84
ミステリーとしてみれば比較的すぐに犯人がわかってしまうと指摘される方もおられるだろうがこの物語はそういったミステリーとしての謎解きが主眼ではなく、この時代の価値観の違いから起こる犯罪…日常にこびりついた人々の無知と偏見といったものによる罪人のでっち上げ、加えて真実を必要としない結末の落とし処等、人権意識の少ない時代の…いやまさにそういった認識を持たない民衆の怖さと、真実を曲げてでもそれをコントロールしようとする治世者の恐ろしさではないだろうか?2014/12/24
のりすけたろう
32
1600年代のドイツが舞台のミステリーでした。首斬り人が素敵で、サクサク読めて、とても楽しめました。続きが読みたいですが和訳されてないみたいで残念です(´;Д;`)2021/03/12
海月
25
17世紀 三十年戦争から十年後のドイツ。田舎町ショーンガウは少年が殺害され、遺体に謎の印が見つかったことから、魔女狩りの恐慌状態に陥る。俗信と階層差別から魔女として投獄された産婆の無実を晴らす為に捜査を開始した処刑執行人クィズル。利発にして美貌の処刑吏の娘マクダレーナ、彼女に恋する町医者の息子の協力を得ながら謎を解き明かす歴史ミステリ。魔女の印、連続殺人、失踪した里子達、市政有力者達の奸計、厭われる処刑吏稼業の苦悩、中世の俗信と迫害の歴史が残る時代設定が好みです。シリーズ物らしいので続編も期待。2014/02/01
星落秋風五丈原
22
『首斬り人の娘』とタイトルにもなっているが、第一作を見る限りでは、娘は探偵役のメインにはなっていない。代わりに活躍するのが彼女の父親クィズル。知識も腕力もある彼一人で探偵役が出来てしまう。中世のキーワードの一つとされる“混沌”としたイメージが様々なキャラクター投入でうまく表現されている。職業や性別による制約がある中世を舞台に、医学生、処刑吏、処刑吏の娘という“尊敬を勝ち得ることもなく、何ものでもない”者達が、“尊敬を勝ち得、何らかの特権を持つ者”達の悪行にどれだけ踏み込めるかが楽しみである。 2014/01/05
夜の女王
22
☆☆☆ 1659年、バイエルン郊外のショーンガウで子供殺しと魔女の嫌疑で産婆が捕まる。町の首切り人クィズルは彼女が無実だと信じ、町医者の息子ジーモンと共に犯人探しを始める。迷信深い田舎者が集団ヒステリーに陥ってる中、彼ら(&クィズルの娘)だけは近代的な理性の持ち主。冷静に論理的に謎を解いていく。オカルトっぽい事件と首切り人の設定が時代感たっぷりで、歴史好きにはにはたまらない。クィズルによって、今まで処刑人に抱いていたイメージが180度変換した。ただオヤジが主人公なのに、タイトルに“娘”と付いてるのは何故?2013/05/29