- ホーム
- > 和書
- > 新書・選書
- > ノベルス
- > ハヤカワポケットミステリー
内容説明
「ナイフの使い手だった私の祖父は十八歳になるまえにドイツ人をふたり殺している」作家のデイヴィッドは、祖父のレフが戦時下に体験した冒険を取材していた。ときは一九四二年、十七歳の祖父はドイツ包囲下のレニングラードに暮らしていた。軍の大佐の娘の結婚式のために卵の調達を命令された彼は、饒舌な青年兵コーリャを相棒に探索に従事することに。だが、この飢餓の最中、一体どこに卵なんて?―戦争の愚かさと、逆境に抗ってたくましく生きる若者たちの友情と冒険を描く、歴史エンタテインメントの傑作。
著者等紹介
ベニオフ,デイヴィッド[ベニオフ,デイヴィッド][Benioff,David]
1970年、ニューヨーク生まれ。作家、脚本家
田口俊樹[タグチトシキ]
1950年生、早稲田大学文学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
- 評価
-
ミスランディア本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
財布にジャック
124
不謹慎かも知れないとは思うんですが、戦争物なのに面白くて笑っちゃう場面も多く、読んでいる間中楽しい時間を過ごす事が出来ました。なんといっても主人公の相棒のコーリャのセリフがユーモラスでいかしてます。下ネタ多めなのに、嫌な感じがしないし、青春真っ只中な彼らはキラキラして見えました。そして小道具の卵の使い方が素晴らしく、ラストもニヤッとしてしまいました。勿論、戦争の悲惨さもしっかりと描かれていて、辛い場面も沢山ありましたが、文句のつけようのない傑作でした。2011/08/25
R
110
タイトルの通り、卵を探すためにドイツと戦争中のソ連で起きた冒険物語でした。祖父から聞いた話をまとめたという体裁なので、語り口調が、いかにも童話というか語り部のそれのようで楽しいのだが、食人鬼が出てきたり、死の描写があっさりしてるのに濃厚だったりと慄きながら読んだ。ラストが凄い清清しくて、思わず冒頭を読み返してしまったりして、切ない内容だけども、凄く物語を楽しめた、一遍の映画を見たような気分で読み終えました。2019/01/09
はる
107
面白かったです。最初は下品な言葉だらけで閉口。でもすぐに引き込まれました。戦争の圧倒的な残酷さ、人間性が麻痺してしまう恐ろしさをしっかり描写しつつも、これは優れたバディもの。スリリングな展開にハラハラドキドキ。相棒コーリャも嫌な奴かと思いきや、最低で最高に魅力的。彼の下ネタが重くなりがちな雰囲気を和らげます。ボリュームがありますが最後まで読んで良かった。2019/06/28
ちょろこ
104
明るさに救われた一冊。ときはナチスドイツ包囲下、軍の大佐の命令で卵を調達することになった、祖父レフ。彼の命がけの冒険が始まった。一気読みの面白さだった。戦争の影、残虐さが至る所に漂う。が、それらを忘れるぐらいに青年兵コーリャとの出会い、冒険劇の明るさと笑いに何度も救われた。そしてその明るさの分、戦争の愚かさがより際立っていた気がした。二人の青年の、抑圧に負けじとする青春がたまらない。謳歌して欲しい、その気持ちでいっぱいになった。ラストも秀逸。思わず確認、そして笑みがこぼれた。2019/01/22
chiru
102
近年でいちばん再読が多い本。 1942,ドイツ軍に包囲され飢餓に苦しむレニングラードを舞台に、秘密警察につかまったユダヤ兵の少年と脱走兵の青年が、卵を1ダースを買いに行かされる物語。 2人の命と引き換えに「娘の結婚式のケーキに使う卵を持って帰る」というミッションを与えるばかばかしさが戦争の愚かさにリンクする。 道中のユーモアたっぷりで猥談だらけの会話が憎めなくて楽しい。 冒険の先に待っている切ない結末と、思わず微笑んでしまうラストが最高に大好き。 ★5 2018/09/27
-
- 電子書籍
- …すぎなレボリューション プチキス(1…