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内容説明
謎と捜査と騒乱の1週間。混乱のエジンバラで、連続殺人を追う一匹狼。上層部の圧力をはねのけ、苦難の捜査が続く。
著者等紹介
ランキン,イアン[ランキン,イアン][Rankin,Ian]
1960年スコットランド生まれ。87年の『紐と十字架』で開始したリーバス警部シリーズは、97年に『黒と青』でCWA賞ゴールド・ダガー賞、2004年に『甦る男』でMWA賞最優秀長篇賞を受賞した
延原泰子[ノブハラヤスコ]
大阪大学大学院英文学修士課程修了。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紅はこべ
41
性犯罪者連続殺人事件、議員の転落死とその背後に潜む武器商人の不正疑惑、リーバスと宿敵カファティとの暗闘、カファティの追い落としを図る市議の怪しげな行動、G8会議開催反対のデモに参加しに来たシボーンの母親が警官に殴られた事件などが有機的に絡み合いながら物語は進む。G8会議とデモ、IOC総会、ロンドン地下鉄の爆破テロを背景として上手に使っている。タイトルは集会でイラク戦争の死者の名が読み上げられた事から。使い古された感のあるトリックが使われているが、ランキンはさすがに上手。謎解きものとしても意外な結末が。2010/05/10
星落秋風五丈原
36
リーバスのハッピー・リタイアメント直前の『最後の音楽』の一つ前の作品とあって本作中にもリーバスが「もう少しで引退なんだから事件を起こさないように」と言われるシーンが頻出。また今回は、殺されたのが所謂ワルの手下ということもあって、警察は捜査に積極的ではない。公安警察も出張ってきて、国家的行事と言えるG8に注力したい。すべてはこの国家イベントが終わってから始めたい。ところが、政治的思惑が最も嫌いなリーバスは、例によって例の如く事件解決に向かって暴走中。死ぬまで治らないやつだ。リーバスのシボーン愛が止まらない。2018/11/26
み
23
複雑に、アレコレ盛り込まれてました。ちと読むのに疲れました。カファティさん、暗躍してますね、退場する日は来るのか?リーバスさんのリタイアが近づいてます。2025/03/08
bapaksejahtera
19
G8エジンバラ開催。この時とばかり騒ぎ出す反体制各派や暴れ者で同地は騒然となる。折から刑務所を出所した極悪漢が次々殺され、主人公とシボーンはこの捜査に当たる。加えてエジンバラ城で開催されたG8準備会合で一人の閣僚が墜落死する。警察幹部はG8開催を理由に穏便な捜査をリーバス以下に命ずるが、退職間近のリーバスは、職務停止命令もものかはと捜査を続行。さらに五輪開催が決まったロンドンで爆破テロ。マッキンティ作品を思わせる世界の下、代償措置のような私的制裁で読者を宥める形もあったが、悪漢カファティ登場で好みの作品。2023/02/10
タイコウチ
10
思うところあり久々にリーバス警部に戻ってきた。2005年にエジンバラで開催されたG8を背景に、リーバスは元犯罪者が犠牲者となる連続殺人事件と政治家の転落事故の謎を追う。現実の大イベントを巧みに取り入れながら、現代社会の風俗を重層的に描き出す手腕はさすが。そんな中、部下シボーンと宿敵カファティを交えた三つ巴のあまりに微妙でほとんど共依存と言っていい関係の先の読めない展開にハラハラする。物語はThe Whoの「四重人格」に始まり「四重人格」で終わるが、本の構成も4つの面からなる2枚組アルバム仕様となっている。2018/04/20