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内容説明
初任地での激務に疲れたディー判事は、都出張の帰途おしのびで風光明媚の地、威炳の町に滞在する。副官のチャオタイだけを同行させ、ゆっくりと骨休めをしようという魂胆だ。しかし神の探偵に休息はなかった。挨拶のため現地の知事を訪問すると、なにやらその挙動があやしい。どうやら家庭内に問題を抱えているようだ。屋敷内に飾られた漆塗りの屏風が原因らしいのだが…そのうえ、町では無頼漢に間違われ、泥棒仲間に誘われてしまう。さらに城外の沼地で女性の死体が発見され、判事はたちまち事件の渦中へ。シリーズ代表作を、最新訳で贈る。
著者等紹介
ヒューリック,ロバート・ファン[ヒューリック,ロバートファン][Gulik,Robert Van]
1910年オランダ生まれ。外交官のかたわら東洋文化を研究し、その成果の一端としてディー判事シリーズ(14冊の長篇と2冊の中短篇集)を発表。作家としても偉大な足跡を残した。1967年死去
和爾桃子[ワニモモコ]
慶應義塾大学文学部中退、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紅はこべ
35
以前中公文庫版の『四季屏風殺人事件』を読んでいたのだが、すっかり忘れていたのに我ながら呆れる。今回ディー判事はお忍びで他県に滞在。同行副官も一人のみで寂しい。現地の知事は何やら悩みを抱えているよう。死体のない自殺がディー判事の興味を引く。今回ディー判事はお忍びなので目一杯探偵業を楽しんでいる。これまで接することのなかった下々の者の行動様式や考え方に接することができたのも良かった。本シリーズは主人公が儒者なのに、愛欲が題材なのが多い。ヒューリックの挿絵はいつも素晴らしいが、本作の屏風絵は特に見事。2010/02/27
tom
14
いわゆる探偵小説、謎解ミステリーです。この類のミステリー、ほとんど読んだことがないのに、このシリーズは妙に面白くて、図書館に行くたびに借りて来る始末。なぜ面白いのか、自分でも不思議。大昔、唐の時代に実在していたとう主人公のキャラクターが面白いのかも。それから、本とか嘘か、でっち上げかどうかも分からないけれど、当時の中国の生活がいかにも本当らしくて、読んでいて楽しいのよね。何冊も出てるから、しばらくは楽しめます。2018/09/23
Zen-zen
4
狄(ディー)判事シリーズの時系列的には第二作。流麗な訳文のおかげもありスラスラ読めるので、ミステリというよりも講談か吉川栄治の時代小説を読んでいるような感じ。なのでこの作品も「緩いなぁ。軽いなぁ」と少しバカにしつつ読んでいくと、ラストでどんでん返しに感心するというパターン。楽しい。2013/03/01
三谷銀屋
2
お忍びで温泉地に保養に訪れたディー判事を待っていたのは、沼地に残された謎の女の死体。名探偵が休暇をとって観光地にくると待ち構えていたように殺人が起きるのはお約束ですね。今回はディー判事は素性を隠しているので、成り行きで地元のならず者達の仲間になったり等の展開が面白い。ミステリーとしても前回読んだ「北雪の釘」よりも、私としては納得感があってすっきりした。本シリーズは後書きを読む度に「古代中国を舞台にして他言語で書かれた小説を日本語に翻訳する事」の並々ならぬ苦労が伺え、日本語で本作が読めることに感謝を感じる。2021/12/15
xuxu
2
時系列上の二作目。身分を隠し休暇を満喫する予定だった判事と喬泰の二人。が休暇先でも事件に巻き込まれてしまう。今作の見所は潜入捜査。何しろ判事のなりきりっぷりがすごい。まさかの街道荒らしに扮し裏社会から捜査する。ノリノリの判事に対し、そんなことして大丈夫?と心配までするはめに。当の判事は普段できない経験の数々に興奮気味。精力的に動き回る。片や振り回され気味の喬泰。前作といい喬泰は不憫ポジション?今作は事件解決時の爽快感は少なく後味が悪かった。救いは新たに旅立つ二人の晴れやかさ。判事の優しい心遣いが沁みる。 2018/03/22
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