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内容説明
サンディタウンの町は生まれ変わろうとしていた。海辺のリゾート地にすぎない町に、アメリカ式の大規模な療養所アヴァロンが開設され、さらには健康と保養を売り物に町全体を再開発しようというのだ。計画の中心は地主のパーカーと、地元きっての名士であるレイディ・デナム。だが、計画を華々しくぶち上げるパーティーの席上で惨劇が起きる…おりから負傷後の療養のためにアヴァロンに入院していたダルジール警視は、駆けつけたパスコーらの迷惑も無視して、さっそく活動を開始する!巨匠が、その技巧をふんだんに駆使する、本格推理大作。
著者等紹介
ヒル,レジナルド[ヒル,レジナルド][Hill,Reginald]
1936年英国生まれ。1970年に『社交好きの女』で作家デビュー。1990年には『骨と沈黙』でCWA賞のゴールド・ダガー賞を受賞
松下祥子[マツシタサチコ]
上智大学外国語学部英語学科卒。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星落秋風五丈原
22
若い娘のEメールから始まるリゾート地の事件。酷い目にあってもおとなしくできないダルジール警部。ラスト前の作品。2020/12/15
Ribes triste
16
奇跡の生還をとげたダルジールはサンディタウンの高級療養施設に放り込まれ、録音機ミルドレット相手に話す日々。もう一人の語り手は、その高級医療施設で論文の研究取材をすることになった女子大生のチャーリー。ダルジール節炸裂のおじさんトークとチャーリーのセキララなガールズトークが織りなす前半部は、にぎやかな田舎のゴシップ満載で楽しい。殺人事件発生でパスコー班が捜査に乗り出すと、ダルジールもまた捜査に首をつっこむことに。そしてフラニーの登場。その存在は天使か悪魔か。最後まで、読めない展開でした。2020/01/13
bapaksejahtera
8
ダルジール警視シリーズ第23作。手違いで10年ほど先の作品を選んでしまったのだがこの間の事情を了解しないで読むのは適当ではない。長い作品で旧約聖書を連想させる厚さ。作中前置きの長い相手をクサして「席を外して戦争と平和を読んで待つ」とダルジールが言う場面がある。この小説自体冒頭ダラダラそれも女子大生の長文メールを借りて進行する。人物模様展開後200頁ほど立ってようやく予想通りの人物が殺される。その後もスッキリしない。結論も曖昧なままとなった。本作はJ.オースチンの未完の作品を基に創作されたというのだがフム。2020/11/07
青縁眼鏡
5
でたな(なにが)。レジナルド・ヒルの描くウィットは相変わらずいい。2010/01/07
章魚 たこ
4
「ダルジールの死」の続き。〈花の香りを嗅ごう屈んだら、それが牛糞の上に生えているとわかったような表情〉こんな表現やもっと辛辣で品のない言葉にあふれているのは愉しい(?)が、、、、。本書は僕の嫌いな日記や手紙、遺書で背景や真実が語られる作風の極致。メールで小説以上に会話を再現したり、テープレコーダーに録音したり、手紙で真理が推測されていたりして、、、、。事件そのものは複雑な人間関係故の悲劇と納得しても、感心しないなあ。あと、名前が覚えられない! 歳だなあ(嘆息! 短足では?)2020/09/25