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内容説明
恐怖とは、人類が知能をもった瞬間から、その生活のすべてについてまわる根源の感情である。人類は常に、恐怖におののき、恐怖に学び、恐怖を楽しんできた。女遊びの絶えない夫に妻が放つ痛烈な一撃。未開の惑星に不時着した乗組員の想像を絶する体験。何気ない万引事件に発する途方もない危機。囚われた恋人たちを襲う残虐極まりない拷問。史上最も有名な殺人鬼を父に持った意外な人物。銀幕の裏側に誰にも知られず隠されてきた秘密。そして、平凡な日常に不意に現われる幽霊たち…マシスン、ブロックら巨匠たちの知られざる逸品から、ティンパリー、バレイジら忘れられた名人たちの傑作、さらには埋もれた名作やマイナー作家の一発芸まで、恐怖と戦慄の短篇17篇が大集合!編者のライフワークともいうべき伝説のアンソロジー・シリーズが最新版で登場。
著者等紹介
仁賀克雄[ジンカカツオ]
1936年生、早稲田大学商学部卒。作家、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
36
「マーサの夕食」のマーサの痛烈なしっぺ返しに笑みが零れてなりません。あんたみたいな馬鹿亭主には腎臓がお似合いだろうよ(黒笑)「思考の匂い」で自分の変体の思考で豹から切り抜けた男の最後に待ち受けるものの意味にぞっとしました。「銅の腕」はフロイトの鼠男の症例のモチーフとなった中国の拷問法の残虐さに血の気が引きます。「虎の尾」は「おーい、出てこい」っぽい。「切り裂きジャックはわたしの父」の語り手の正体に愕然と釈然のいかなさが半々。「悪魔を侮るな」でニヤリ。「万能人形」や「射手座」でのラストの暗示にぞっとしました2013/03/06
紅はこべ
31
欧米の作家ってどうして人肉食ものが好きなんだろう?聖体拝領が関係してるとか?「ひとけのない道路」の孤独感が胸に刺さった。意外とSFが多かった。ボーモントやバウチャーの掌編がよかったので、読み逃がしていた彼らの短編集を読もうと思った。2015/06/13
ニミッツクラス
24
09年(平成21年)の税抜1400円のポケミス初版。ブラッドベリやディックの短編集或いはアンソを編んだ仁賀氏と反りが合うならお勧めの一冊(17編収録)。古い編纂でないので、著名作家の鉄板作品がほぼ半数。ティンパリーを巻頭と巻末に配して引締めた。「ひとけのない道路」の誰もいなくなる系のネタは良いが…オチがつまらない。ウェルマンは映画が良い出来の「ザ・キープ(要塞)」の元ネタ。マシスンは癇癪ガキの“ギニョール的拷問”が言い得て妙。ラッセルはネオゴシック中篇三部作の一つだそうで、残りも読んでみたい。★★★★☆☆2021/09/29
maja
21
再読。バラエティ豊かな幻想と怪奇短編集。魔法の石の扱いにはらはらするゼナ・ヘンダーソン「闇が遊びにやってきた」ロバート・シェクリイ「思考の匂い」ウィリアム・テン「奇妙なテナント」がお気に入り。ゴア・ヴィダール「こまどり」レイ・ラッセル「射手座」A.M.バレイジ「闇夜のかくれんぼ」ロバート・ブロック「スクリーンの陰に」脚本家が出会った老人エキストラの世界もよかった。 2022/05/15
新天地
16
どの物語も奇抜な発想で、オチどころか話の全貌ですら定かではなく、安易な造形の悪魔や怪物が出てくる訳でもない。その取れない整合性は、作者達自身が微睡みの中で見た怪奇的幻想のよう。それがだからこそ素晴らしく堪らない作品集だった。特に好きな話は「ひとけのない道路」で、その題が示す通り深夜車で孤独に道路をひた走る時に感じる薄気味悪さを物語へ見事に落とし込んだ雰囲気と場面設定の勝利だった。また、おかしな二人組が存在しない13階を借りる「奇妙なテナント」もアイデアがとにかく面白くてオチの不気味さもあって好きな話。2020/11/01




