- ホーム
- > 和書
- > 新書・選書
- > ノベルス
- > ハヤカワポケットミステリー
内容説明
伝説の名アンソロジーが、ここに復活!そんなはずはない。汚職判事を尾行中の刑事たちは、片時も目を離さなかったのだ。だが、何の変哲もない電話ボックスに入った判事は、そこから煙のように消え失せてしまった!駆けつけた刑事たちの前には、ぶら下がったままの受話器だけが…世界ミステリ全集の最終巻として刊行された『37の短篇』は、古典風のパズラー作品から、ハードボイルド、クライムストーリーにいたるまで、傑作中の傑作を結集した画期的アンソロジーだった。三十五年の時を経て、その精髄がここに復活。密室不可能犯罪の極致ともいわれる、上記クレイトン・ロースンの「天外消失」をはじめ、ブレット・ハリデイの名作「死刑前夜」、メグレ警部登場のジョルジュ・シムノン「殺し屋」、スパイ小説の巨匠アンブラーの本格ミステリ「エメラルド色の空」など多士済々の十四篇を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ばりぼー
57
「天外消失」汚職判事を刑事が尾行していると、判事は監視の中電話ボックスから消失。ぶら下がった受話器からは判事の声が…。このトリックはあちこちでアレンジされまくってますが、よくできています。訳がわかり難くて3回読み返しましたけど。その他、嗅覚抜群で警察犬のように(笑)犯人を追跡する「ジャングル探偵ターザン」、◯◯トリックの先駆「死刑前夜」、読後のぞくりとする感覚が堪らない「後ろを見るな」、タイトル通り究極の密室が描かれる「最後で最高の密室」など、噂に違わぬ逸品揃いの素晴らしいアンソロジーでした。2015/01/16
藤月はな(灯れ松明の火)
50
異色作家短篇集で読んだ作品も有り。「探偵作家は天国へ行ける」ですが、殺されて推理のために生き返った推理作家はとてもじゃないけど善人じゃないよな・・・。そしてブラックユーモアで有名なイブリン・ウォーの「ラウディ氏の短い休暇」は滑稽味に溢れたおはなしかと思えば、最後の一文で背筋を凍らされるという狂気ぶりに怖さと感動で震えました。流石だぜ、イヴリン・ウォー!「ある男の首」から面白かったメグレ警視ものもやはり面白かったのでシリーズ読破してみようかしら。「この手で人を殺してから」の真っ黒な狂気も際立っていました。2013/12/14
hit4papa
42
本アンソロジーには、エドガー・ライス・バロウズ『ジャングル探偵ターザン』、メグレ警部登場作のジョルジュ・シムノン『殺し屋』といったシリーズものの短編から、リドル・ストーリーとして有名なフランク・R・ストックトン『女か虎か』、背筋を凍りつかせるフレドリック・ブラウン『後ろを見るな』といった著名な作品が収録されています。現在は他ではあまりお目にかかれない作品ばかりとのこと。なるほど、歴史に埋もれさせてしまうのは惜しい名品たちです。クレイトン・ロースンの人体消失の名作『天外消失』だけでも読む価値ありです。2016/08/24
サトシ@朝練ファイト
41
短編ばかりなので軽く読めました。ブレット・ハリデイが良かったです。2014/03/03
空猫
33
『消された一家』から『この手で人を殺してから』目当てで読んだが、現実の方が凄まじかった。ともあれ粒揃いのアンソロジーで大満足。男の語りで描いたタイトル通り『死刑前夜』、余計なお節介はしない方がいいね『ラヴデイ氏の短い休暇』、ラストが哀しすぎ『最後で最高の密室』などがお気に入り。『女か虎か』は虎でしょう( ̄ー ̄)bこれは伝説的な37のアンソロジーの内の14編を収録した本らしい。他も読んでみようと思う。2019/07/16