- ホーム
- > 和書
- > 新書・選書
- > ノベルス
- > ハヤカワポケットミステリー
内容説明
この街の大通りは、いつも光に満ち溢れている。蛍光灯やネオン、ヘッドライトやテールライト、空へむかって放たれているさまざまな光の反射などが、入り乱れ、重なり合い、洪水になって「ここがハリウッドだ!」と宣言している。その中を、今夜もパトロールカーが行く。待ち受けるのは、麻薬、売春、喧嘩、窃盗、殺人…警官ひとすじ勤続五十年のベテラン警官を中心に、サーファー警官、若きママさん警官、超映画マニア警官、金持ちのボンボン警官ら個性豊かな面々が、毎晩のように起きる事件に立ち向かう。警官出身の巨匠が久々に放つ話題作。
著者等紹介
ウォンボー,ジョゼフ[ウォンボー,ジョゼフ][Wambaugh,Joseph]
1937年ペンシルヴァニア州生まれ。1974年に退職するまでロス市警に勤務。1970年のデビュー作『センチュリアン』はベストセラーとなり映画化された。2004年にMWAの巨匠賞を受賞している
小林宏明[コバヤシヒロアキ]
1946年生。明治大学文学部英米文学科卒。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紅はこべ
14
作者は元ロス市警刑事という異色の経歴。普通警察小説というと、殺人課の刑事が主役なのが相場だが、本作は珍しくパトロール警官が中心の群像もの。それぞれの警官コンビがキャラが立っていて、楽しい。有能なのもそうでないのもそれなりにね。ロドニー・キング事件以降のロス市警が置かれた状況がよくわかった。ラストはしんみり。事件の絡ませ方、ストーリー展開、どれも巧みです。2014/02/28
bapaksejahtera
13
大小様々な犯罪が起こり、10数人の警官が入れ替わりでこれに関わるハリウッド署が舞台。87分署とフロスト物を扱き雑ぜ滑稽味を加えた群像劇。好みの小説である。数人の犯罪者と薬物中毒、更に何人かのホームレスが、ポケミス二段4百頁近い長い小説のメインプロットを構成するが、コンビを組んでパトカーに乗務する警官の個性が際立っている。ロドニーキング事件で建前の世論に押され、政治的に、硬直的に振る舞う幹部の下で、現実に押しつぶされまいと勤務する警察官の姿を、ロス市警で40年近く勤務経験のある著者が、温かい筆致で描く佳作。2024/06/15
newhavana
2
原題はHollywood Station、警官・犯罪者・市民など二十数名の登場人物が全22章の短編に入れ代わり立ち代わり登場し、世紀初頭LAのある日ある時が香り立つように小気味よく語られてゆく。膨大な固有名詞が当然のように登場するので脚注無しの本書を楽しむためには少々の努力は必要かもしれないが、それもまたミステリの醍醐味かと。登場人物たちが歯に衣着せぬ本音を吐き続けるのも痛快だ。日本の偏向して中途半端なニュース解説記事や映像を見るよりもけた違いにアメリカのある断面を理解できると思う。2024/02/25
さかき
2
おまえたちがつけているバッジは、世界でいちばん美しくて有名なバッジだ。多くの警察がそれをまねしたり、うらやましがったりしているが、おまえたちはほんものをつけている。批評家や政治家やメディアの連中からいろいろ言われても、おまえたちのバッジは変わりはしない。今回のことに腹を立てて、怒り狂ってもかまわないが、ひがみっぽくなるのだけはやめろ。2019/06/08
竜
2
邦題が的確。ミステリを期待して読んだが、ちょっと違った。前半でもたついたかんじがしたが、後半は面白かった。ラストも良かった。2016/10/09