Hayakawa pocket mystery books
上海から来た女

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  • サイズ 新書判/ページ数 228p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784150017996
  • NDC分類 933
  • Cコード C0297

内容説明

雇われ運転手をしている元船員の俺に、弁護士のグリズビイがもちかけてきた、ちょっと風変わりな“殺人計画”。殺してほしいのは、なんとグリズビイ本人。もちろん本当に殺すのではない。彼を殺して、死体を海に捨てたと自白しろと言うのだ。自白があっても肝心の死体が見つからないから、警察は手の出しようがない。俺は無罪放免で報酬を手に入れ、グリズビイは離婚を承知しない妻から逃れて新しい人生を歩むという仕組みだ。ためらいつつも結局は一枚噛むことにした俺だったが…オーソン・ウェルズが監督・主演で映画化した幻のサスペンス。

著者等紹介

キング,シャーウッド[キング,シャーウッド][King,Sherwood]
本名シェリー・キング。詳しい経歴は不明。1938年に発表した『上海から来た女』が映画化されたことでミステリ史に名をとどめた

尾之上浩司[オノウエコウジ]
英米文学翻訳家、評論家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

63
オーソン・ウェルズ監督・主演、当時、オーソン・ウェルズの妻だったリタ・ヘイワースキー共演の映画は観てました。映画版はハードボイルド風である意味、妻を如何に美しく、撮るかと自分の撮影手法の自慢のために撮られた作品という印象でした。原作は法廷劇の騙し合いと綱渡り感の緊迫感があり、中々、興味深かったです。原作は個人的にはビル・ワイルダー監督が映像化した方がこの原作を活かせていたと思わざるを得ない。そして映画はグリズビーの生理的な嫌悪感を催させる言動は上手かったけど、有名な鏡の間の場面は映画だけなのも発見。2017/01/07

紅はこべ

13
邦題はこの小説を原作とした映画から来ているのだが、原題をそのまま訳した題の方が良かったと思う。元船乗りで詩人、作家を夢見る、何も持たない男が持てる者達に振り回される物語。あるいは一人の女に三人の愚かなあ男がいいように扱われる物語。1938年に出た作品だが、当時は40代でもう年寄りあつかいされたのね。2015/01/10

koo

6
偽装自殺を依頼された若者が殺人容疑をかけられるサスペンス、同名映画の原作の様ですが作品内に「上海から来た女」など存在しないのが笑えます、タイトルは原題に則して欲しかったですね。ストーリーはオーソドックスで現在の読者には展開は読め真相はわかるでしょうが捻りのある後発作品に触れているからで先駆作品として評価されていいと思います。訳もいいですし主人公の追い詰められる様もよく描かれています。アイリッシュやアルレー、ガーヴ以前本格黄金時代末期の作品は充分楽しめました、早川も50年前に出版すれば良かったのに(笑)2023/03/12

hikarunoir

3
原題も映画と無関係。あくまで元ネタの一つ程度の感覚で接すると、ミステリーなど糞食らえとは思っても、ウェルメイドなダイムノベル。2013/02/13

あや

2
偽装殺人計画を持ち掛けられた男が、次第に深みにはまりこんでいく。サスペンスとして、スピード感と読み手を引っ張る展開が気持ちいい。 映画化された際につけられたタイトルを邦訳版に採用している都合で、タイトルと内容とに全く関連はない。原題もなかなかのものなので少し残念。映画に詳しくない自分でも聞き覚えのある作品だったが、解説によると映画は興行的に失敗だったとのこと。原作の方も初読だし、どこで耳にしたのだろう。2022/05/24

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