- ホーム
- > 和書
- > 新書・選書
- > ノベルス
- > ハヤカワポケットミステリー
内容説明
イングランド北西部の小村イルスウェイト。何百年も続くこの村を偶然二人の男女が訪れた。女は数学者のサム。この村の出身らしい祖母の生い立ちを調べにやって来た。男は歴史学者のミゲル。約四百年前の迫害されたカソリック教徒の調査に訪れたのだ。村の過去を掘り返そうとするよそ者に村人たちは口を閉ざす。だが、二人の宿泊する“異人館”の地下室から古い頭蓋骨が見つかり、やがて各々の家族が関わった驚くべき事件が明らかに…巧まざる因縁が時空を超えて複雑に絡み合い織りなす物語。本格の大家が皮肉とひねりを効かせて描く会心作。
著者等紹介
ヒル,レジナルド[ヒル,レジナルド][Hill,Reginald]
1936年英国生まれ。70年に作家デビュー。90年にダルジール警視シリーズの『骨と沈黙』でCWA賞ゴールド・ダガー賞を受賞。他にも私立探偵もの、スパイものなど多彩な作風を誇る
松下祥子[マツシタサチコ]
上智大学外国語学部英語学科卒。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紅はこべ
12
自らのルーツを探るため、英国の小村を調査に訪れたオーストラリア人の数学専攻の女性と、司祭になることを断念したスペイン人の歴史専攻の青年が主人公。エリザベス一世時代のカトリック迫害の歴史や北欧神話が絡む過去探求の物語。ミステリマインドに満ち、伏線もバッチリ利いている。ヒルらしいユーモアも健在だし、キャラも魅力的。2008/05/16
abk1
5
サムの祖母に起こった事件は悲惨であるが、その真相に至るまでの物語に堪能した♫2017/10/27
旭
4
英国からオーストラリアへ強制的に移民させられた子供達、400年前のカトリック迫害で捕らえられた神父、隠された墓碑、幽霊たちの記憶。イングランドの小さな村が長い時の中に隠してきた謎のかけらを、二人の「異人」が拾い、あるべき所に嵌め直していく。結末のつけ方や伏線の拾い方も含め、すごく好きな一冊。神の道から逸れた堅物のお兄さんと、燃える赤毛の数学馬鹿なお姉さん。物語を牽引する二人のキャラクターが見事。水と油のような二人の関係も含め、全ての偶然が必然にすり替わっていく流れを、終始高揚感を持って読みました。2012/02/23
FILO
2
孤児の強制移民やイギリスとスペインの戦争やキリスト教の歴史なども絡んでくる話で、そのへんの知識はあまりないけど楽しめました。 最後はぐいぐい引き込まれて一気に読んでしまった(`・ω・´) 他の本もぜひ読んでみたい。2011/10/28
司
1
伝統ある村のアクの強い人々の中に異人が二人やってくるミステリーの王道といった感じ。 それはともかくなぜこの人が内面まで描く女性はこうも攻撃的なんだろう?2014/11/18