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内容説明
北方の国境近く、北州に知事として赴任したディー判事。以来数カ月というもの平穏な日々が続いていた。ところが、町で無残な女性の首なし死体が見つかったことから、判事の周辺はにわかに風雲急を告げる。いずこへともなく姿を消した被害者の夫を名指して糾弾する家族。だが被害者の衣服が消えていることに判事は首をひねる。あるいは土地の名士の娘が数日前から失踪した件とも関係があるのかもしれない。事件の目鼻もつかぬうちに、高名な武道家が浴場で何者かに毒殺される事件も起きた。そして判事はかつてない窮地に追いこまれることに…。
著者等紹介
ヒューリック,ロバート・ファン[ヒューリック,ロバートファン][Gulik,Robert Van]
1910年オランダ生まれ。在日大使などを歴任した外交官であり、東洋文化の研究者としても広く知られている。またミステリ作家でもあり、在日中は江戸川乱歩らとも親交をもった。1967年死去
和爾桃子[ワニモモコ]
慶應義塾大学文学部中退、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
spica015
9
狄判事シリーズもの。時系列に読んでいなかったので、久々に部下たち勢揃いと喜んでいたら意外な展開に…。首なし死体やら浴場での毒殺事件やらおどろおどろしいが、結末は至ってシンプルでそれが案外楽しめる。このシリーズはいつも印象的な女性が登場するが、今回の潘夫人と陸の後家はどちらも狄判事の進退に大きく関わる人物。狄判事を絶体絶命のピンチに追い込むわかりやすい悪女ぶりが面白い。一方で狄判事が心情を吐露する場面では上に立つ者の哀切ぶりが描かれ、胸に迫るものがある。2019/04/21
紅はこべ
7
知事としてのディー判事最後の事件。2008/05/14
himehikage
4
いままで読んだ中では、あまり印象に残らなかった。主要人物があんなことになってしまうけど、順番に読んでないからなあ…2015/01/04
(ま)
3
玉花は香雪に玲瓏と鳴る2023/07/01
xuxu
2
知事として最後の任地での事件。舞台は極寒の辺境、全体に重々しい雰囲気が漂う。今作に登場する女たちの悲哀には胸がつまる。特に郭夫人は玉花とともに深い印象を残していった。珍しく窮地に追い込まれる判事。最後は都の裁判所長官への栄転が決まるが、素直に喜べない。忙しくも楽しく自由な知事時代への決別を意味するから。傍らにいるべき人がいない喪失感も拍車をかける。特別付録「西方の文人・高羅」では訳者が著者の全貌に迫っている。とても興味深く読んだ。このシリーズは本編以外でも楽しませてくれる。訳者に感謝。2018/06/29
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