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内容説明
ふとしたはずみで妻を殺してしまった青年弁護士マーク。警察だけでなく、大物ギャングである妻の兄が放つ追っ手からも身を隠し、西海岸からシカゴまで逃げのびてきた。罪の意識にさいなまれ、ぼろぼろになったマークが転がりこんだ救済院で出会ったのは、金持ちの若き未亡人メイ。彼女に拾われ、運転手として雇われたマークは、郊外の屋敷に住みこむことになる。だが、窓にことごとく板が打ち付けられた屋敷で世間から隔絶して暮らすメイには、思わぬ秘密が隠されていた…パルプフィクションの知られざる名手が贈るサスペンスに満ちた傑作。
著者等紹介
キーン,デイ[キーン,デイ][Keene,Day]
1904年イリノイ州シカゴ生まれ。1940年ごろからパルプ・マガジンに短篇を発表、1949年に長篇デビュー。その後多くの作品を発表し、『セリ・ノワール』にも30冊以上が収録された。1969年没
松本依子[マツモトヨリコ]
1967年生まれ。英米文学翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
65
天才弁護士として注目されていた青年弁護士マーク。彼は、妻を殺してしまい警察のみならず妻の兄であるギャングのキャスに追われ、シカゴの救済院に辿り着き、そこで金持ちの未亡人メイと出会う。天才の名をほしいままにしながら実は、悪事にどっぷりつかっているマーク。彼を立ち直らせようとしたのが、ギャングのボスの妹である妻。その唯一親身に思ってくれている妻を、よりによって殺してしまう。マークを救ってくれた未亡人というのが・・。と、かなりぐだぐだな展開だが、不安感をあおり最後まで読ませる。アラン・ドロンが主演の映画の原作。2020/07/20
藤月はな(灯れ松明の火)
26
ルネ・クレマン監督、アラン・ドロン、ジェーン・フォンダ主演の映画『危険がいっぱい』の原作。映画を参照に読みましたが、原作と映画は大分、違います。映画は初恋に破れて自分の存在を軽んじられてきた少女が大人達を追い詰めていく「女」の怖さがあって個人的に好きです。原作は如何にもパルプ小説的なエロがあって男性受けしそうだな~。でも主人公の罪悪感からの変貌ぶりの描写は中々。そして映画ではジェーン・フォンダに該当するけど、別物な意地悪な家政婦がいい味出していています。2017/01/22
riviere(りびえーる)
11
久しぶりに読んだハヤカワ・ミステリ、気楽に楽しんだ。敏腕弁護士のマークはふとしたことから妻を殺してしまい、他人になりすまして逃亡する。逃亡先で出会った美しい慈善家メイの運転手として雇われ、すぐに惹かれ合うが、彼女は夫をメイの愛人に殺されている未亡人だった。欲望と犯罪と嘘が入り乱れたストーリー展開。変な表現だが、比較的安心して読める犯罪物。残虐なシーンは無い。それにしても敏腕弁護士なはずなのにかなりヌケています。そこが魅力なんだろうか?アラン・ドロン主演で映画になってたらしい。1954年初版の小説。2019/07/10
koo
7
妻を殺してギャングの兄、警察から逃亡した悪徳弁護士が潜伏先の救済院で若き美貌の未亡人と出会うことにより起こるサスペンス。50〜60年代の懐かしのアメリカ犯罪小説ですがアランドロン出演の同名映画の原作らしくそう言われればフランス犯罪映画っぽい雰囲気もありますね(笑)太陽がいっぱいがそもそもハイスミスですし。170ページ足らずで小気味よく落ちもあるストーリーが展開して訳も良かったんですが昔のポケミスの田中小実昌とかの古色蒼然とした汚い訳で読んでみたかった気もします(笑)2023/02/26
bapaksejahtera
4
アラン・ドロンの同名の古い映画の題名だけは覚えているが観たことはない。本作は映画とは設定を大いに変えているがその原作で、映画の十年前にアメリカで書かれたものだからさらに古い。「ジャップとの戦争」などと書かれている。短い小説だから直ぐに読み終えた。謎解きよりはドキドキするような展開で進む。私好みの小説であった。そもそもなぜ日本語の翻訳である本書が原作から半世紀も遅れて出版されたのかは、全く最近アメリカで「再発見」されたのがその理由だからだが、このことは一つの小説の「生涯」を考えるうえでも興味深い。2020/02/03
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